寺島実郎氏と佐高信氏の共通点と相違点が良くわかる対談本であった。
- 作者: 佐高信,寺島実郎
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2010/06/29
- メディア: 単行本
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<読書メモ>
○労働人口の34%が年収200万円以下という現状
・勤労者家計可処分所得を、2000との2009年度上半期とで比較すると月にして6万1000円減っている。年収ベースだと70数万円減っている。
・東京都の3人家族の生活保護手当の平均が196万円。
○米軍基地の現実
・全世界に米軍が持っている大型の海外基地のトップ5のうち4つ(横須賀、嘉手納、三沢、横田)が日本にある。
・東京都23区の1.6倍もの米軍基地を日本は今も抱えている。
・米国がぜんせかいに展開している基地のうちで、ホストネーション・サポートと言って、駐留している国が7割も経費を持ってくれいてるケースは日本のみ。
・しかも、米軍がほぼ管理権を占有している基地は世界中の米軍基地の中でもわずかであり、横須賀、佐世保は占領軍のステータスのままである。
○明治の青年に夢を与えたクラーク博士
・クラーク博士が、札幌農学校の教壇にたっていたのは、わずか8ヶ月。
・つまり、1期生でも1年も教わっていなかった。
・札幌農学校は2期生以降、新渡戸稲造を初めとして続々と偉大な人物を輩出するが、2期生はクラーク博士の顔を見たことはなかった。
・アメリカでのクラーク博士は、南北戦争に従軍した得たいの知れない人だった。
・彼は鉱山開発やなにかで借金を作ったり、友達を裏切ったり、殆ど詐欺まがいのような事件で裁判沙汰を起こしている、ちょっと曰くつきの人だった。
・クラーク博士が蒔いた種が、大島正健(札幌農学校1期生、甲府中学校長)を作り上げ、石橋湛山(甲府中学卒)に大きなインパクトを与え、水上達三に(甲府中学卒、三井物産社長)受け継がれていく。