東京証券取引所で、「東証アカデミー3周年記念公開講座」が開催され、レオス・キャピタルワークスの藤野英人代表の講演を聞けた。
東証アカデミーは、「社会人向け投資教育」「小中高校生・教員向け投資教育」「上場会社向けインサイダー防止教育」の講座を開いてきたが、社会人向け講座は開校以来3年間で103回開催し、延べ1万人が受講したらしい。
今後は、西室泰三社長が自ら東証アカデミーの責任者に就任し、CSRの部門に組み込みCSR活動の一環に位置づけるそうである。
14時からの西室社長の挨拶から始まり、その後の講師による講演、そしてレセプション終了まで、西室社長は一切席を外すことなく、長時間の間、ずっと同席されていた。
これまで自分が見てきた財界人とは一味違う。この社長は、スゴイと感じた。<藤野氏の講演メモ>
○投資における情報の重要性
・1990年に野村投資顧問に入社した頃、最初の3年間は、決算短信を東証まで
歩いて取りに来て、コピーを取って、アナリストの先輩に届けるのが仕事で、
そを大卒がやるだけの価値が当時はあった。1日2〜3回、会社と東証を往復した。
決算短信をだれよりも早く手に入れて、先に取引をするだけでも成果は出た。
・その後も96年から97年頃までは、決算短信をコピーしにいく業務はあった。
○インターネットのメリット
・即時性:瞬時に世界に発信でき、情報を知らないリスクが大きくなる。
・公平性:情報格差が少なくなり、逆に情報の付加価値がなくなる。
→今は個人投資家が入手できる情報もアナリストが入手できる
情報もそのタイミングも格差が無くなっている。
・簡便性:どこでも、手間をかけずに情報を入手できる。
・勤勉性:情報を集めた人ほど強くなり、努力は駆らずものを言う。
・自己責任:入手した情報を常に疑い、自分の頭で納得する必要がある。
○情報開示の常
・良い情報の公表は早く、悪い情報は好公表が遅くなる。
・業績修正のクセとして、上方修正も続き、下方修正も続く。
→過去3年間のデータによると、上方修正をする会社の方がリターンが高い。
・良い情報は平日早朝開示し、悪い発表は深夜開示、金曜日の引け後の
時間が多い。
○投資を検討する際に参考にする企業のWebサイト情報
・IR情報、商品・サービス情報
・リクルート情報:
→会社の社員の学生に対する言葉が読め、会社の姿が見えてくる。
・代表者の挨拶:経営者の顔写真が出ているか?
→見る人を目の前にして挨拶をする気持ち・意識レベルの差がわかる。
→挨拶文から会社のカラーが見え、社長が自分の言葉で書いている会社は
伸びている。
○投資時の参考情報
・東証適時開示情報閲覧ニュース
・トレーダーズWEB
・日経景気ウッォチ
・ヤフーファイナンス
・EDINET