2003年9月5日、享年58歳、肺ガンで亡くなった青木雄二さんの最後の著書『青木雄二のゼニと病気』を読んだ。



<読書メモ>


○医療訴訟
・医療訴訟は年間600件以上、勝訴率は僅か3割。(民事訴訟の勝訴率は、普通8割)
・医療裁判の3つの壁
  専門性の壁:プロの過失を立証する為にはプロ以上の知識が必要
  密室性の壁:事故やミスが起こる場所は相手方のテリトリーである病院
  封建制の壁:他の医者に鑑定や証言をしてもらう必要があるが、同業者をかばい合う傾向がある


○医療裁判の費用
・相談費用:約1万円→弁護士と初めて相談する時にかかる費用(約1〜2時間が目安)
・調査費用:約30万円→今後の方針を決めていく弁護士費用
・その他の実費:平均20〜30万円(証拠写真代、協力医師へのお礼、医学文献のコピー代、交通費など)
以上の準備で少なくとも半年はかかる
・訴訟費用
  実費:印紙代(賠償請求額の約6%)、切手代、コピー代、文献収集費用、協力者への謝礼金(3〜4万円)、鑑定費用(30〜50万円)
  弁護士費用:着手金(賠償請求額の4〜6%、貼っても負けても支払う)、勝訴した時に支払う報酬金(賠償費用の4〜10%)

提訴から判決までは、地裁で平均3年かかり、控訴や差し戻しで高裁、最高裁と進めば10年以上かかる。 


○治療費(ある病院でのガン患者の治療費)
・食道ガン:平均258万円(3割負担で77万円)
・胃ガン :平均137万円(3割負担で41万円)
・大腸ガン:平均111万円(3割負担で33万円)
・直腸ガン:平均180万円(3割負担で54万円)
・肝臓ガン:平均247万円(3割負担で74万円)
・乳ガン :平均105万円(3割負担で32万円)