『勝者のビジョン』を読んだ。起業準備、起業直後の時期に一読しておくべき本だと思う。

見開きに書かれていたメッセージが印象的で、物語風の薄い本だったので、一気に読んでしまった。


「君の大望を見くびる人に近づいてはいけない。それはつまらない人間だから。真に偉大な人は、君がいつか偉大になれると思わせてくれる。」 マーク・トウェイン


勝者のビジョン―夢みる勇気をもつ人だけで成功を手にできる

勝者のビジョン―夢みる勇気をもつ人だけで成功を手にできる


<読書メモ>


・スタートアップ期の会社は、金は「金を生むもの」だけに使う。

・会社には、投資家を求めているいないにかかわりなく、事業計画が必要である。事業計画のないビジネスは航路のない船のようなものだ。

・事業計画書は長くて複雑なものである必要はない。しかし、それを書く人にも、それを読む人にも、よく分かるように書かなくてはならない。
 最初にビジネスの内容と現在どのような状態にあるのかを説明する。
 それから1年後にどんなところに到達していたいのか、2年後は、5年後はと描写し、そこに到達するための地図を描く。
 まず、できるだけシンプルに、そしてできるだけ短く、言葉で表現する。それから数字でそれを示す。

・事業計画書の冒頭に、短くて簡潔な事業趣意書を書く。できるだけ理想を高く、好きなだけ壮大に各。趣意書は、会社がその力を維持していく助けとなり、会社の進む方向を左右し、ひいては成功の程度まで決定する重大な力を持つ。

・共同事業はきわめて特殊な状況下でしかうまくいかないことを認識する。共同経営として運営されると、たいていのビジネスは困難にぶつかる。1人の人間が、そのビジネスの成功、あるいは失敗に、全責任を負わなくてはならない。

・オーナーたち、理想的には社員全員が、それぞれ自分にとっての「理想の情景」を思い描いて書き、それをお互いに較べるという作業を必ず行う。ビジネスが計画通りに成長したと仮定すると、5年後には何をしていたいのか。全てが夢のようにうまくいって、予想もしなかった大成功を遂げたと仮定する。生活はどんなふうになっているだろうか? 何をしているだろうか? ごく普通の1日はどんな1日だろうか?
 このシンプルな作業はビジョナリー・ビジネスのための強力な道具となる。

・明快で具体的な事業計画書を書く。最初の1、2年は月ベースで、その後は四半期ベースで予測を立てる。

・計画には不足の自体を織り込む。可能な限りあらゆる経費を想定し、全ての経費を合計して、さらに合計の15%前後を、不足の自体や予期しなかった経費に備えて加算する。

・スタートアップ期のビジネスでは、あらゆることが予想の2倍の時間と経費がかかる。この経験則を覚えておく。時間的遅れや予想外の経費を克服できるだけの十分な財源を備えた計画でなければならない。

・よく書かれた事業計画は、資金を募るための単なる道具だけではない。それより遥かに重要なものだ。地図であり未来のビジュアル・イメージである。ビジュアル・イメージが明快であればあるほど、具体的であればあるほど、達成の可能性は大きくなる。

・事業計画には、外的・内的な考えられる限りのうらゆるハードルも困難も越えられるようなパワーがなくてはならない。事業計画はパワフルだ。なぜなら、内なるパワフルな潜在意識を刺激して動き出させる力を持っているからだ。

・よく書かれた事業計画書は成功への欲求を意志に変える。成功への意志が生まれれば、障害と思われるものの90%はおのずと解けて消え、残る10%は、それが発生した時点で既に対処法が分かっている。

・欲求を意志に変える。障害を好機に変える。逆境の1つに、同等のあるいはそれ以上の好機が潜んでいる。言い古された諺がおなし゛ことを言っている。「意志あるところ道は通ず」

・成功しているビジネスは、全てその基盤にビジョンがある。そのビジネスの発展と成長をそれが物理的に実現するずっと前に、誰かがはっきりとイメージしている。

・会社がナンバーワン。これを心に銘記しておく、オーナーの個人的利害より、他の誰の利害よりも、会社の利害を優先させる。そうすれば会社が面倒を見てくれる。オーナーや社員みんな、その他の沢山の人達の面倒を見てくれる。

・利益の半分を従業員に分ける。そうすればうまくいき、オーナーも長期的にみれば、利益を特選した場合よりずっと多くを手にする。双方勝ちの利益配分である。

・従業員は大っぴらに誉める。仕事の誤りを指摘する時は人目のない所でする。

・経営スタイルには2種類ある。危機に対応する経営と、目標に沿った経営だ。「危機対応の経営」に陥るといつもビジネスの中で働いていて、ビジネスに向かい合って働く時間が無くなる。将来のビジョンを無くしてしまう。一歩引いて大局から自体を眺める余裕を持ち、夢を具体的で達成可能な計画によって支えていくこと。

・所有には責任が伴う。ビジネスのオーナーは、従業員、地域社会、環境に責任を負う。従業員を支援することも、環境の回復を助けることも、長い目で見ればビジネスにとって得であり、収支決算にとっても得になる。

・兼ねは人の価値をはかる最終的な物差しではない。どのような生活を送るか、人や環境にどう対応するか、人に奉仕しているか、人にどれだけ愛情や思いやりを持つか、人生の目的をどこまで実現するか、そういうことが人生にとって真に大切なことである。人の成功をはかる為の唯一の重要な物差しなのである。

・その仕事に情熱を持ち、その仕事に適した性格の人を雇う。技術者の仕事には技術者を、管理者の仕事には管理者を雇う。

ペプシコのCEOの3つの単純なルールは、ビジネスに大きな意味がある。
 1.変化を愛せ:変化を愛するようになるか、さもなくばその不可抗力に抵抗を試みるか、そのどちらしか人間はできない。
 2.踊ることを覚えよ:仕事上の人間関係は、闘いではなくダンスであるべきだ。
 3.フーバー長官を欺け:有能な人材を雇い、責任を明確に規定し、そのあとは彼らに独自の方法で自由に仕事をさせる。

・全てのビジネスはオーナーの意識の繁栄である。それなのに自分の人生を思い返し、自分の心がどう作動するかを考えることの重要性を理解しているビジネス・オーナーはめったにいない。