レクサスがなぜヨーロッパと日本で苦戦しているのか、何となく理解できた。

著者の言う20世紀までの「商品交換/サービス」経済から「ホスピタリティ」経済に、世の中が動き始めており、21世紀にビジネスを成功させる解がそこにある、という主張はなかなか本質のような気がした。

トヨタ・レクサス惨敗―ホスピタリティとサービスを混同した重大な過ち

トヨタ・レクサス惨敗―ホスピタリティとサービスを混同した重大な過ち

<読書メモ>

○レクサスブランドと原車
LS400 (セルシオ)
ES300 (ウィンダム)
GS300 (アリスト)
IS250 (アルテッツア)
LX470 (ランドクルーザー)
SC430 (ソアラ)

○米国の成功は、ディラーの力
・スエル社
 レクサス、インフィニティ、キャデラック/サーブの3つのディーラーに分類し、落差をつけている
 レンサス店の設計はオーナーの虚栄心をくすぐる
 1.ホテル並みのサービス形態
 2.購入時かにサービスとケアが始まる:購入時に家族の一員となった記念写真
 3.プライベートさの強調

○ホスピタリティ教育機関
ローザンヌ・ホテル大学(スイス)
エスモード学園(パリ)

○サービスとホスピタリティとの違い

・サービス:
 自由用なのは相手の存在ではなく、誰隔てなく平等・均等になされるサービスそのものである。そのため自分になされないと不愉快になり、それを求めてしまう。
 交換・商品の経済は、モノを買い、所有することで終わる。サービスとしてアフターケアがあっても期限付き。

・ホスピタリティ:
 対象とする相手に対してだけのものなので、人によって全て違ってくる。重要なのは個人的な存在そのもの。ホスピタリティは不満になりえないし、本物のホスピタリティがあれば感動し、人はリピートする。
 ホスピタリティ経済では、買った時が関係のスタートであり、生涯時間に渡って関係が持たれていく。

→日本の銀行がサービス経済、欧米のプライベートバンクがホスピタリティ経済


トヨタ・レクサイ惨敗』 山本哲士、加藤紘著 ビジネス社 2006年9月1日4刷発行 1500円