森永先生のマニアックな本を読んでみました。表紙がキワモノなので、図書館で借りるのが相当恥ずかしかったです。

萌え経済学

萌え経済学

<読書メモ>

○萌え市場の特徴
・ニーズが多様化しており、大企業が参入するほどの生産ロットがない
・オタクからオタクへの資金の循環が行われる
 →このような閉鎖市場が膨らんでいるのが、今の日本

○萌え市場の規模
野村総研2004年8月24日発表 『「オタク層」の市場規模推計と実態に関する調査』
 2900億円 (アニルメ、アイドル、コミック、ゲーム、組立てPC)
「マニアの消費指市場に対する影響力と市場規模は、もはやニッチとは言えない」と主張
  アニメ   20万人  200億円 (タイトルあたりDVD売上枚数)
  アイドル  80万人  600億円 (コンサート動員数、CD初出売上)
  コミック  100万人 1000億円 (同人誌即売会参加者数、雑氏購読数)
  ゲーム(家庭用) 57万人 450億円
     (PC)   14万人 190億円
     (ネットワーク) 3万人 10億円
     (アーケード)  6万人 130億円
  組立てPC(リッチ)  3万人  300億円
      (ジャンク) 2万人   20億円 


・浜銀総研2005年4月1日発表
 888億円(2003年のコンテンツ市場における萌え関連)
  コミック  273億円
  映像    155億円
  ゲーム   460億円

○萌え市場の3つの融合化
・メディアの融合化:キャラクターは、最初から関連グッズからイベント開催までビジネス展開を考えて作られている。
・需要者と供給者の融合化:萌えの人達は自らが供給者となる。
・新品と中古品の融合化:萌えの人達は新品と中古品の差別をしない。

メイド喫茶の歴史
・2001年3月 コスプレ喫茶「Cafe de COSPA」(カフェ・ド・コスパ)が弊店し、店舗リニューアルと共に、ウエイトレスのコスチュームが明度服に統一され「Cure Maid Cafe」(キュアメイドカフェ)がオープンしたのが最初。

メイド喫茶の基本を作ったのは名古屋の「M's Melody」(2002年9月開店)
 この店の来店時の挨拶等のやり方を真似たメイド喫茶が首都圏で受けた
 
○高付加価値市場は規模が小さい
・誰も参入を考えない小さなマーケットに限って、低下販売・現金販売が可能
・価格競争に巻き込まれない

○需要が飽和しない市場
・コレクション市場
 →保存性、保管性、鑑賞性、希少性
・芸術・文化市場
・恋愛市場
 →45兆6000億円(1990年)、GDPの11%

○オークション市場
・米国のネットオークション市場は2兆円を越える


萌え経済学』 森永卓郎著 講談社 2005年10月25日第1刷発行 1500円