書名をみて、思わずサット読んでしまった。
対象は、これから定年退職する団塊の世代に向けて書かれているが、スモールビジネスをスタートさせて5名の事例と、6名のインタビューが紹介されており、大変参考となった。
SOHOの形でスタートさせ、成功率をあげる起業の基本的な考え方を、再度認識させられた。
早速、「SOHOベンチャーカレッジ(6期生)」に申し込んでみた。
- 作者: 前田隆正
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/10/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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<読書メモ>
○米国のSOHO件数
・米国は人口約3億円に対し、4人以下の企業が2千万社あり、人口15人に対し1社の割合でSOHOが存在する。日本のSOHOは1/10以下。
・米国では従業員4名以下の「スモールカンパニー」が265万社、創業者のみの「ワンパースンビジネス」が1765万社。
○三鷹市のSOHO支援の経緯
・23区に接する利便性から、昔から多くの工場が進出していたが、80年代半ばから工場が100社以上郊外に移転し、90年代半ばには、工場出荷額で1千億円以上、雇用喪失も4千人以上と悪化した。
・「まちづくり研究所」を設立
・1998年7月、「SOHO都市宣言」し、「SOHO CITY みたか」推進協議会を設立
・1998年12月、SOHOパイロットオフィス開設、9件入居
→現在、三鷹市内で設置しているSOHOオフィスは8ヵ所、入居企業数は110社、支援SOHO
は200社、従業員数600名以上、SOHOの売上高は年商約18億円
→3社がIPOを視野に入れ、約30社が規模拡大により広い事務所に移転
・SOHOオフィスの運営会社、株式会社まちづくり三鷹は、7期連続黒字
・「SOHOベンチャーカレッジ」創設
・2006年7月、シニア向け起業香料スペース「コミュニティビジネスサロン」開設
→3ヶ月15千円のレンタルですく、2時間500円のセミナールーム
・三鷹ブレインズ(SNS)
○三鷹市のSOHO支援施策
・市のSOHOオフィス入居企業に対し、多摩中央信用金庫が無担保で3千万円まで融資
・信用金庫とタイアップし自治体の事業者向け融資を実施。設備資金1千万円まで、運転資金7百万円まで利子補給され、借入人の利率は0.85%、返済期間は5年間
○三鷹SOHOオフィス発事業例
・ベランダの庭師、芸術大生の支援、NPO子育てコンビニ
・株式会社エイビッツ:経営コンサル、パツト練習機の開発(63歳、3期生、元横河電機)
・有限会社PIS企画:リサイタルの企画運営(66歳、元NTT、日立、日立子会社)
・有限会社シーキューブシステムズ:日本無線の製品設計・開発(74最、元日本無線)
・キャリア・アッブ企画:キャリアカウンセラー(70歳、元富士ゼロックス、日本社会情報学会事務局長)
・杉山事務所:ベンャー企業の技術評価相談(82歳、横河電機専務、横河メディカル創業社長、工学博士、三鷹市内の最高齢経営者)
・メディカルシステム・ナガイ:医療用画像ファイリングシステムのコンサル(68歳、1期生)
・株式会社イーエス技研:製品の環境・安全規制適合コンサル(61歳、元横河総合研究所)
・マンションIT化支援センター:マンションIT化コンサル(66歳、元NEC)
・スモールウェーブ:Webサイト構築(59歳、現SOHOベンチャーカレッジ講師)
・ドキュモンド株式会社:渡航申請書類作成サービス(57歳、元旭硝子)
・NPOシニアSOHO普及サロン・三鷹:パソコン講座「ゆうゆうサロン」運営(71歳)
○株式会社のメリット
・信用力:実績の少ない会社は株式会社にしてディスクローズをする。
・税務:欠損金(赤字)を5年間繰越処理ができる。個人事業主は3年間。
個人事業主は所得に応じて税率が高くなるが、法人の税率は一定。(2千万円を分岐点に個人事業主が不利)
経費として計上できる範囲も個人事業主より広くなる。
・利益配分:利益は全て会社のものとなり、所有者である出資者に配当として分配される。
『「身の丈起業」塾』 前田隆正著 光文社 2006年10月30日初版1刷発行 1300円