『脱サラの経済学』の読書メモ

出版時期が2000年の本なので、会社制度、設立手続きの部分は大分、状況が変わっており、役に立たなくなっている。しかし、当時の会社設立手続きの煩雑さを思い出したのと、改めて現在の法人設立手続きの容易さを実感した。


<読書メモ>

○脱サラに最適な年齢
・脱サラ、独立開業にはエネルギーが必要であり、基礎的体力、資金調達力、有効な人脈、個人的な信用が必要である為、30歳代が適している。

中小企業白書2000年度版』「SOHO事業者の年齢と中小企業経営者の現在及び創業時の年齢比較」
・SOHO事業者:最も多い創業年齢は「30〜34歳」。30〜39歳が全体の約56%を占める。
・中小企業経営者では「29歳以下」が最も多いが、30〜34歳、35〜39歳の数字が多く、30歳代での創業が多い。
・要因としては、起業の求人希望年齢が「35歳以下」というケースが多く、35歳以下で起業し、万が一失敗したら再就職を考え、35歳を越えてサラリーマンを辞めたために、希望の条件に見合う就職先がなく、創業するしかなくなるケースが考えられる。


○法人化のメリット・デメリット
・個人事業のメリット
  資本金が不用
  登記が不要で届出だけ
  事業内容の変更が自由
  帳簿の作成が簡単
  決算も簡単に済む
  事業資金を個人の財布からまかなってもよい
  事業主(本人)の報酬は事業による利益のみ(利益がなければ無報酬)
・個人事業のデメリット
  必要経費が認められにくい
  社会的信用がなく、融資を受けにくい
  課税所得が累進課税。1800万円を越えると税率が37%、2000万円を超で40%と不利になる。
  事業に失敗すれば個人の責任で、資産も処分しなければならない
  政府管掌の社会保険に加入できない

・法人事業のメリット
  役員報酬は必要経費になる
  認められる必要経費の範囲が広がる
  法人税は定率(普通法人30%)で、法人所得が800万円以下ならさらに低い
  社会的信用があり融資を受けやすい
  事業の責任は出資額まで(社長が債務保証をすれば無限責任になる)
  政府管掌の社会保険に加入できる
・法人事業のデメリット
  資本金が必要←これは会社法改正で、小額でよくなった
  登記が必要(登録免許税が必要)
  事業内容は、開業時に定款に記載した内容の限られ、定款変更には認証手数料が必要
  帳簿が複雑で法律に基づ句必要がある
  決算が複雑なので税理士に依頼する必要がある
  事業資金を個人的に安易に調達したりできない