MIC主催のセミナーで、アタッカーズビジネススクール講師の志村勉先生の講義があった。

今回の講義は「プルーオーシャン戦略」のエッセンスと思考プロセスのフレームワークを教えて頂け、大変参考になる講義であった。



<講義メモ>


ブルーオーシャン戦略
・コストを下げながら、同時に書いての価値ほ高めていく戦略
 →差別化戦略と低コスト戦略を共に実現
・買い手の価値は効用と価格によって決定する
・売り手の価値は価格とコスト構造に応じて決定する

レッド・オーシャン戦略 ブルー・オーシャン戦略
既存市場で競争 競争のない市場を切り開く
競合他社を打ち負かす 競争を無意味にする
既存需要を囲い込む 新規需要を開拓する
価値とコストがトレードオフ 価値高めコストを下げる
差別化、低コストのどちらかを選択 差別化と低コストを両立


マイケル・ポーターの戦略論
・コスト・リーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略のどれか1つしか選べない
差別化戦略成立の条件
 ①顧客の価値で選別される
 ②自分達の強みで差別化する(一番でないと得意な人に直ぐに真似される)


○4つのアクションにより新しい価値曲線を作り上げる
・買手にとっての価値を高め、新たな需要を生み出す
 ①付け加える→業界で提供されていない要素は何か?
 ②増やす→業界標準と比較して大胆に増やすべき要素は何か?
・競合他社よりコスト面で優位に立つ
 ③取り除く→業界常識のサービスから取り除く要素は何か?
 ④減らす→業界標準と比較して思い切り減らすべき要素は何か?
→「付け加える」「取り除く」が価値最大のチャンスとなる


・事例 「シルク・ドゥ・ソレイユ
 斜陽産業のサーカスに新たな概念を持ち込み、全く新しいエンターテイメント
 市場を創造し、業界における競合の取り組みを無意味にした。
 ①付け加える:ストーリー性、快適な鑑賞環境、芸術性の高い音楽とダンス
 ②増やす:個性溢れる独自のテント
 ③取り除く:花形パフォーマンス、動物ショー、グッズ販売、同時ショー
 ④減らす:笑いとユーモア、危険とスリル

  
○顧客以外に目をつけ、市場の境界を引きなおす6つのパス


 ①代替産業に学ぶ
  機能や形状は異なるが同じ目的に使うサービスを選ぶ理由を考える
  顧客は代替産業との比較・選択の際の判断ポイントを重視し、
  その他の要素を取り除き、減らす。
  <事例> ネットジェット社(チャーター機航空会社)
   15社の顧客にジェット機を共有させ、年間50時間のフライトを保証
   一般フライトの低コストと専用機の利点を両立した


 ②業界内の他の戦略グループから学ぶ
  業界内には価格とパフォーマンスを基準によって住み分けされている
  複数の競合戦略グループから最良部分を採用する
  <事例> カーブス社(女性専用フィットネスクラブ)
   女性が支持する要素以外は全て排除し低価格を実現
   特殊なマシン、軽食、プール、ロッカールームを排除


 ③買い手グループに目を向ける
  買い手は「購買者」「利用者」「影響者」の3グループに分けられる
  従来とは異なる買い手グループに照準を合わせ、新しい価値を生み出す
  <事例> ノボノルディスク社(インスリン注入器)
   医薬品メーカーの顧客は薬の処方を決定する医師というのが常識
   患者の利便性に注目し、使いやすさを追求したインスリン注入器を開発


 ④補完財や補完サービスを見渡す
  他の製品やサービスを併用することで価値が増大する
  利用前、利用時、利用後のそれぞれのシチュエーションで考える
  <事例> 映画館に駐車場と託児所をセットにすることで、新たな需要を生み出す


 ⑤機能志向と完成志向を切替える
  業界内では機能志向か感性志向かのどちらか偏った傾向となる
  業界内の志向と逆の志向に転換する事で未知の市場が見えてくる
  <事例> QBハウス社(1000円カット専門理髪店)
   機能志向に転換し、顧客ターゲットを絞り、時間と価格のカットを実現


 ⑥将来を見通す
  全ての業界は時の流れによる外部環境の影響を受ける
  トレンドがもたらす顧客価値の変化が、ビジネスへ及ぼす影響を予測する
  トレンドを見通す際の3原則
   「事業に決定的な意味合いをもたらす」
   「後戻りしない」
   「はっきりとした軌跡を描く」
  <事例> iTunes(オンライン・ミュージック・ストア)
   音楽はデジタル交換の時代が到来、好みの音楽のみをてに入れる時代へ
   →コンテンツのソースを押さえ、便利に使える仕組みを構築


○他社の模倣を避ける戦略的価格設定
 ①顧客の密集する価格帯の見極め
  ・形態、機能、目的が同じ商品の価格帯
 ②顧客の密集する価格帯の中で価格を設定する
  ・法的規制などで保護され模倣しにくい→高価格
  ・法的規制などである程度保護される →中価格
  ・法的規制などが薄く、模倣されやすい→低価格

 →ブルーオーシャン戦略は真似されやすい為、初期段階から差をつけて、
  一気に走りぬけ、その市場で一番手となる必要がある。
  (認知、ブランド、顧客ロイヤルティ)<参考文献>

ブルー・オーシャン戦略がわかる本 (Shuwasystem Business Guide Book)

ブルー・オーシャン戦略がわかる本 (Shuwasystem Business Guide Book)

ピーター・ドラッカーの「事業戦略論」がわかる本 (Shuwasystem Business Guide Book)

ピーター・ドラッカーの「事業戦略論」がわかる本 (Shuwasystem Business Guide Book)