今日は、午前中に理化学研究所の遺伝子研究に関する最先端の話を聴き、午後からは、初めて健康博覧会に参加して、全社はエビデンス探しの世界で、後者はエビデンスを出せない世界という、ヘルスケア業界の両極端を見れた貴重な体験をした日であった。

しかし、どちらも明確なエビデンスが無い事実だけを見れば、同じカテゴリーなのかもしれない。
医療業界に身を置く自分としては、健康食品業界の展示ブースに出店されている様々な商品が全て怪しく感じざるを得なかった。


理化学研究所・遺伝子多型研究センター主催シンポジウム
テーマ「SNPから疾患遺伝子解明へ」


理化学研究所の最近の研究実績
 ・国際ハプロタイプ地図作成プロジェクトで世界最大の研究貢献(24.3%)
 ・オーダーメイド医療実現化プロジェクトで25万症例を収集する
  世界最大の「バイオバンク・ジャパン」の構築
  →4年前の本プロジェクト開始の事前準備の時点から、検体収集体制の構築を
   担当し、私が担当する医療施設の職員の努力で、約半分の検体収集を実現
   でき、自分の責任を果し、役割が終わったとホットしている。



健康博覧会・特別企画パネルディスカッション
テーマ:「健康産業に流通大変革! 進化するインターネットと健康産業ビジネスの融合」
パネリスト:
 鈴木秀則社長  リアルコミュニケーションズ
 南場智子社長  ディー・エヌ・エー
 渡辺明日香社長 ルーク19
 後藤玄利社長  ケンコーコム<ディスカッション・メモ>


○健康食品産業の市場動向
 ・2006年の市場規模は、1兆2100億円。トクホを加えると約2兆円。 
 ・これまでずっと成長してきたが、2006年に初めて前年比5%ダウンした。
 ・総務省調査では、前年比20%ダウンとなっている。
  →このギャップの15%分がネット販売に流れていると考えられる。
 ・市場規模シュリンクの原因は、「アガリスク問題」と「イソフラボン問題」。
  →アガリスクのピーク時の売上は350億円、現在は90億円にまで減少。
 ・チャネル別売上

専門店・一般小売店 950億円
ドラックストアー 1,950億円
信販 9,200億円

 

ケンコーコムの会社紹介
 ・1994年にヘルシーネット設立。通販で健康食品を販売開始。
 ・2000年にケンコーコムに社名変更、現在7万アイテムをWeb販売。
 ・健康とEコマースは、親和性が高い。
  →消費者のニーズは様々であり、健康食品の方も無限に存在し、Eコマースでは
   低コストで自分の悩みを解決してくれる商品を探し出すことができる。
 ・売上推移:2004年/33億円、2005年/47億円、2006年/65億円


○ルーク19の会社紹介
 ・渡辺社長は『世界No.1セールスウーマン2人が書いた 営業のバイブル』の著者
 ・2005年8月に「サンプル百貨店」をスタート
 ・年6回 リアル・サンプリング・プロモーションを開催
   →全59品、14kg、3万円相当のサンプルを配布
   →OL700名、主婦700名等、企業のターゲットに合った消費者を集め、確実に
    フィードバックを得る事ができる
 ・企業(400社)と消費者(会員15万人)をマッチング
 ・サンプル請求には「サンプラー(ポイント)」を集めねばならない。
   →アンケート回答、Web放送の視聴、企業の企画に参加などで貯めるられる
 ・外食本部向けシークレットサンプリングも実施。
 ・サンプルの送付コスト低減策として、店舗で引換券を提示することで実売品と
  交換する仕組みをスタート
   →取扱をしていない小売店は、売れ筋商品と認識し、新規に取扱を開始する。


ディー・エヌ・エーの会社紹介
 ・南場社長は、マッキンゼーを一度退社して、ハーバードでMBA取得後に復職した。
 ・マッキンゼーで歴代3人目の女性パートナー。
 ・1999年にDeNAを設立。
 ・携帯コマースは、前年は200%の伸びで、今後も拡大する。
 ・携帯コマースの上位10店舗の月額平均売上は約1千万円。
 ・携帯コマースでは美容健康ジャンルが売上No.1。
 ・携帯コマースの8割が女性で、20〜30代が5割を占める。