昨日5月14日にテレ朝「Jチャン」の月曜特集で放送された番組『勤務医が足りない!:地域支える病院の苦悩』の録画を見た。

2004年に導入された新医師臨床研修制度の影響が、こういう形で地域医療を崩壊させている現実が報道されていた。
医療制度研究会の本田宏・理事の「医師が増えると医療費が増えると国は思っている」というコメントは、真実だと思った。


<番組メモ>


勤務医は現在18万人。
30時間連続勤務、月に5回の宿直が課せられている。


○千葉山武地域(山武市東金市、芝山市、横芝光町九十九里町大網白里町
 人口22万4千人。
国保成東病院(54年前に設立)
  18診療科、常勤医師26人、非常勤医師19人


成東病院の勤務医人数推移

- 2005年 2006年 2007年 (目標数)
常勤医師 36人 22人 5人 (14人)
非常勤医師 11人 0人 6人 (8人)


管外よりの救急搬送人員数の急増

- - 管内 管外
2002年 7,530人 77.2% 22.8%
2003年 7,573人 75.7% 24.3%
2004年 7,788人 74.8% 25.2%
2005年 7,999人 72.2% 27.8%
2006年 7,701人 61.7% 38.3%


夜間救急体制の変化(月の当直回数)
2006年6月

- 成東病院 A病院 B病院 C病院 D病院
内科 15人 1人 5人 2人 6人
外科 17人 1人 5人 2人 6人

2007年3月

- 成東病院 A病院 B病院 C病院 D病院
内科 0人 1人 1人 2人 5人
外科 15人 1人 5人 2人 5人


・隣の医療圏に位置する国保旭中央病院
  34診療科、常勤医師247人
  研修医定員20名に対し、毎年、志願者が100名以上


○病院勤務医数の推移

- - 内40才以下
1996年 14万8,199人 8万6,109人
2004年 16万3,683人 8万2,584人

*40才以下の勤務医が、3,500人減少


医師不足の現状
欧米と比較して、12万人の医師が不足。

人口千人当り医師数比較

- 1960年 1970年 1980年 1990年 2000年 2005年
OECD平均 1.1人 1.3人 1.9人 2.4人 2.8人 2.9人
日本 1.0人 1.1人 1.3人 1.7人 1.9人 2.0人

厚労省は、毎年3500〜4000人の医師が増加しているので、問題ないとしているが、
地域医療の勤務医不足、診療科別の医師の偏りが問題となっている。


○専門医の伸び率(1996年→2004年)

精神科 +20.4%
眼科 +13.1%
皮膚科 +14.5%
小児科 +6.5%
内科 +1.3%
産婦人科 −6.3%
外科 −6.7%