TBS「噂の!東京マガジン」の「噂の現場」のテーマは、「次々と医師が流出!このままでは自治体病院が無くなる?」だった。

地域医療は、既に崩壊しているということが今回のレポートで理解できた。
このままでは、地方では医療を受けられない医療難民が発生するのは間違いないであろう。
番組で紹介された、8年前に過労で自殺した小児科医の中原利郎さん(享年44歳)の長女が、母親の反対を押し切って、小児科医を目指して現在研修医になられているという事が、せめてもの救いである。<番組メモ>


○公的病院の崩壊状況

1.佐野市民病院(栃木県佐野市) 16診療科 258床
 ・常勤医が激減(1997年29名→2007年3月0名→現在2名)
 ・2007年1月より2次救急(入院患者)の受け入れ中止

2.銚子市立総合病院(千葉県銚子市)
 ・常勤医が35名から1年で13名退職
 ・内科は新患受入れストップ、1/3に入院患者を減らす

3.済生会栗橋病院(埼玉県栗橋町) 1日外来患者数900名
 ・耳鼻科、皮膚科、整形外科、リハビリテーション科で医師不在
 ・小児科医2名で、365日交代夜勤を継続し、物理的に無理な状態
4.仙台市の公的病院
 ・麻酔医6名の内、5名が退職


→地方の病院では、元々少ない人数で診療をしていたが、医師が
 辞めて行くと、残った医師の勤務条件が更に過酷になっている。
→少しだけ余裕の持てる職場に移るという勤務医の動きは、既に
 全国で起きている。
→3割の医師が過労死ライン(週80時間以上勤務)を超えている。
→外科学会では、10年後は外科医がいなくなると警告している。
→医師は毎年4千人増加しているが、OECDの国際比較によると日本の医師は
 人口比を考慮すると12万人不足。


○「医師の労働実態調査」(2007年4月、日本医療労働組合連合会)


「職場をやめたいと思うこと」

いつもある 10.7%
しばしばある 16.7%
時々ある 26.3%
まれにある 20.8%
ない 25.5%


「疲れの状態と回復状況」

いつも疲れている 18.7%
疲れが翌日に残る 40.5%
疲れは感じるが回復する 33.9%
疲れは感じない 6.9%


「最長の連続した勤務」

60時間以上 6.9%
42〜59時間 6.9%
36〜41時間 37.7%
30〜35時間 22.5%
24〜29時間 4.2%
24時間未満 24.2%