ソフトブレーン社・宋文洲マネージメント・アドバイザーの講演メモ
宗さんのナマ講演を聞くのは、今回で2回目。正直な人柄が、全面に出る講演であった。
自分の講演の途中で、自分の携帯が鳴って、「すみません。電源を切るのを忘れていました」と笑いを取り、
その後15分位後に、またまた携帯が鳴って、「すみません。時間が分からなくて、また電源を入れてしまいました。こうみえても結構忙しいんです。」と、またまた笑ってしまった。
コンテンツの中で最も人気の高い『宋文洲の傍目八目(おかめはちもく)』の本講演での突然の終了宣言に、主催者側もビックリしたようだ。
6月一杯まで、残り4回掲載されて終了とのことだ。「終らないパーティーはない」というメッセージが印象的だった。
講演テーマ『常識から逃げてみませんか?』
○常識にとらわれない
・日銀の福井総裁も、松岡農水大臣も常識のあるいい人だから、辞められない。
周りが辞めさしてくれない。
松岡大臣の答弁は全て回りの取り巻きが書いていて、籠に担がれていただけ。
「水はウソだった」と言って、大臣を辞任すれば死ぬことは無かった。
現職の大臣が自殺してしまったという事実は、いじめ問題に悩んでいる子供に
悪影響を及ぼすはず。
・逃げる事の重要性を知るべき。逃げたらいい事がいっぱいある。
・自分は5年前から、ソフトブレインを辞めたかった。辞めたいから辞めた。
創業者が会社に行くと、社員もお客も大事にしてくれるのは当たり前。
社長の役割は営業。好きでもない人に「好きだ」という顔をしないといけない。
・古い常識に囚われていると問題点に気づけない。「こうじゃないといけない」と
思うと問題の本質に辿りつけず、新しい可能性に気づけない。
・「努力すると必ず報われる」と信じるのは間違い。
実際は努力してもなかなか報われない。報われない事が続くと他人のせいに
してしまい、その人間はダメになってしまう。
○デフレは本当か?
・政府はデフレが続いていると言っているが、そもそも物価指数で判断する事が
正しいのか。物価指数が導入された時代と比べ、現在は物ではなく、サービス
(教育、介護、セキュリティ)等に高いコストを掛けるようになった。
・製造はGNPの20%しか占めていない。サービス部分が物価指数に盛込まれて
いない。
○会社と管理職の役目
・管理職の仕事は、部下のモチベーションを上げることと言われるが、そもそも
あなたのモチベーションが高くないではないのか。更に家族のモチベーションを
上げられていないのではないか。
・社員の長所を伸ばす為に、上司と会社は存在すると考えるべき。
・社内研修の殆どが「俺の話を聞け!」というスタンスで、服従すれば成功としている
ケースが多い。
これでは、人材の流動性が低くなり、他では使えない人間ばかりがしがみつく
組織になってしまう。
・職人に依存する技術・ノウハウは、社員個人のバリューであり、それを会社の
バランスシートには載せられない。
○「失われた10年」ではない
・日本社会はこの10年で、質的な変化をし、進化した。外国人にはその変化が分かる。
・ビジネスホテルもカフェもお洒落でランスが良くなった。
・中国でも失われた10年と言われる「文化大革命」があったが、そのおかげで、
現在の2つの経済成長の底力(男女平等、挑戦的な若者)となっている。
文革より以前は、中国の女性はもっとおしとやかだった。
また文革で、若者が年長者に対して、「それはおかしい」「人間は年齢と関係ない」
とチャレンジしても良い雰囲気になった。