最近、雨宮処凛さんに注目している。著書の全てが、体当たりで表現が面白すぎる。この本は「Webちくま」に「反撃タイムズ−プレカリアートは闘うぞ」のタイトルで2007年8月から2008年7月までの1年間連載されたものに加筆したそうだ。巻末に湯浅誠さんとの対談も掲載されていて、お得な本であった。

生きることを支援してくれる団体の「駆け込み寺」リストが掲載されていて、生きていく上で必需品となっている。



○ひどい労働環境
・2005年、うつ病などの精神障害での労災申請数は656件、認定数は127件。
 →申請数、認定数の半数以上を20代、30代が占めている。
・1991年には8割を超えた大卒の就職率は、2000年には6割以下。
・現在、働く人の3人に1人は非正規雇用


プレカリアート
・「不安定なプロレタリアート」という意味の造語


○在日2世の現状
・在日外国人で1962年1月1日以前に生まれた障害者と、1926年4月1日以前に生まれた老齢者は、今も福祉年金が貰えない。


○酷過ぎる外国人研修生のシステム
・2007年、アメリ国務省の「人身売買報告書」で、日本における外国人研修・実習制度が「人身売買けと指摘された。
・名目上、「外国人件私有・実習制度」は、日本の先端技術を途上国へ移転することが目的。
・実態は、月額報酬6万5千円。残業時給450円、通帳とパスポートを取り上げられるという奴隷並みの待遇。
岐阜県の縫製業の例だと、基本給5万円のうち、3万5千円は強制貯金、残業代は研修生は250円、実習生は300円。月の残業時間は230時間、夜10時からは1個10銭でボタンつけの内職をやらされる。
・完全な労働法違反であるが、法律上、研修生は「労働者」ではなく、報酬も「賃金」ではなく「研修手当」となっている。
・研修期間は最長1年で、その後は「技能実習生」となり労働法適用の労働者となるが、実態は変わらない。
・背景には、中国側の送り出し期間、日本側の受け入れ期間、後押しして手数料で設けている「財団法人国際研修協力機構」なとの利権構造がある。


○誰でも1人でもフリーターでも入れる労働組合
フリーター全般労働組合(東京都新宿区西新宿)
 →組合員150人(2009年1月)、2割が正社員。
  union@freeter-union.org

派遣ユニオン

首都圏青年ユニオン


○外国人向けの労働組合
神奈川シティユニオン(神奈川県川崎市幸区)
 →組合員の多くがラテンアメリカからの移住労働者



○貧困没滅の活動団方
反貧困ネットワーク
 →2007年10月発足。
  hanhinkon.net@gmail.com

反貧困たすけあいネットワーク(東京都豊島区南大塚)
 →若者のための助け合い互助組織。6か月以上加入していれば病気やケガで働けなくなった時に「「たすけあい金」が給付される。

自立生活サポートセンターもやい
 →生活相談は月100件。うち半数が20代30代。男性は6〜7割。

法テラス
 →法律扶助協会。月5千円程度でサラ金の借金整理などの相談に乗ってくれる。