TSUTAYAで、ぷらぷらとしていたら、「TSUTAYAビジネスカレッジ」と称して、ビジネス系のレンタルDVDが並んでいた。東レ経営研究所・元社長の佐々木常夫氏の講演映像を借りてみた。


そうか、君は課長になったのか。

そうか、君は課長になったのか。

そうか、君はもう課長になったのか。



<講義DVDのメモ>

・自分の時間を作って、自己啓発の勉強をしたいと思っても、それができない最大の障害の一つが、「長時間労働と非効率労働」。
 仕事の成果と長時間労働とは必ずしも関係はない。


○仕事の進め方10条

1.計画主義と重点主義
  仕事の計画策定と重要度を評価する。
  すぐに走り出してはいけない。仕事にプライオリティをつける。

2.効率主義
  最短コースを選ぶこと。
  プアなイノベーションよのーり、優れたイミテーション

3.フォローアップの徹底
  自らの業務遂行の冷静な評価を行い、次のレベルアップにつなげる。
  自分の仕事をフォローする。

4.結果主義
  仕事はそのプロセスでの努力も理解するが、その結果で評価される。
  会社は結果を出さないと意味がない。

5.シンプル主義
  事務処理、管理、制度、資料、会話はシンプルにを持って秀とする。
  優れた人の話ほど分かりやすい。半分しか理解していない人の話は分かりにくい。

6.整理整頓主義
  仕事の迅速性につながる

7.常に上位者の視点
  自分より上の立場での発想は、仕事の幅と内容を高度化する。
  上位者視点で風景をイメージする。

8.自己主義の明確化
  自分の考え方をきちんと提示する。
  しかし、他人の意見を良く聴くこと。

9.自己研鑽
  向上心は仕事を面白くする。

10.自己中心主義
  人は何の為に働くかというと、自分のためであり、自分を大切にするという事は、人を大切にするということ。
  世の為、人の為に仕事をやりなさいという意味は、自分の為になるからということ。



○独断と偏見のアドバイス15

1.3年で物事がみえてくる。30才で立つ、35才で勝負は決まり。
  成長角度(人生観、仕事の仕方、コミュニケーションの取り方)が35才で決まる。
  成長角度が高い人が低い人に抜かれることは絶対ない。
  人生や仕事にひたむきな人は、成長角度ず高い。
  但し、35才で賢い人は目立つが、タイ背するかどうかは別問題。

2.礼儀正しさに勝る攻撃力はない。
  リーダーというのは、幼稚園で教わったことがきちんと出来る人。
    ・人に会ったら挨拶しなさい
    ・皆と仲良く遊びなさい。
    ・仲間はずれを作ってはいけません。
    ・嘘をついてはいけません。
    ・間違ったことをしたら、勇気をもって謝る

3.朝出勤のとき走る者、遅刻するものは数歩の遅れをとっている。
  日々10分の差、30分の差。時間厳守はビジネスマンの鉄則。

4.沈黙は金にあらず。正確な言葉、表現に気を配ること
  きちんと言葉で話をする。
  行ってもわからないんだから、言わなかったら全く分からない。

5.読書の価値はほんの数ではない
  多読家に仕事のできる人は少ない
  本は選べ、ベストセラーは読んで損することは少ない。
  モノを知っていれば、仕事が出来るということではない。
  仕事はバッションが必要。知識を自分の行動に落とし込まねばならない。

6.名刺の持ち方、出し方、保管の仕方は他人に対する思いやり、関心の程度を表す。
  忘れないような方法を考える。手帳の中、財布の中、定期入れの中に入れておく。

7.1つの外国語マスターは最低条件

8.酒の飲み方はその人の品格を表す、酒の上での失敗は高くつく

9.メモを取ると良く覚え、覚えると使う、使うと身に付く

10.東レは最終職場ではない

11.男にとって女性への考え方、対応は、人生や他人に対する考え方の程度を表す。
  女性差別をする人は女性に限らず、差別する。

12.子供は親の鏡、親は子供の鏡、子供の教育に関心をもつ。
  家庭、学校、社会に責任を持つこと

13.出世はその人の人間性、能力、努力の1つのバロメータ
  偉くなるということは、どこか良いところがある
偉くなりたくないといっている人は、偉くなった時の光景が分かっていない。

14.友達は大事にしよう、友情は手入れが必要

15.腎性に必要なのは結城と希望とSome Money
  身分相応の金遣い
  お金がないと志を貫けないときがあるから、お金は貯めておく


・会社の仕事というのは、ほとんどが雑用の塊だから、雑用をいかに拙速にやって、重要な仕事をいかに完璧にやるかということ。
よって、タイムマメジメントは時間の管理ではなく、仕事を管理すること。

 
○効率化を図る3つの仕事術

1.計画先行、戦術的仕事術
  ・戦略的計画立案は仕事時間を半減させる
    →部下がどんな仕事にどれくらいの日数をかけたかという分析をする
     重要度ランキングを報告させる
     上司は部下に仕事を発注し、部下は上司から仕事を受注する。
     10人以上の部下を持つ管理職はプレイングマネージャーをやっている暇はない。
     仕事は発生した時に、その品質基準を上司が決めてやらねばならない。
     部下力がある人は、品質基準を上司に確認する人
  ・最初に全体構想を描く
  ・不確実な仕事はとりあえず初めてみる
  ・デッドラインを決めて追い込む、締め切りは1週間前
  ・スケジュール表で時間を「見る」、時間予算
    →自分へのアポイントをとって予定を入れない
     仕事のデータはすべて頭に叩き込む

2.時間節約、効率的仕事術
  ・プアなイノベーションより優れたイミテーション
    →優れたイミテーションを繰り返す中で優れたイノベーションが出てくる。
  ・仕事は発生したその場で片づける
    →議事録は次の日に持ち越さない、メモは会議中に書く
  ・拙速を旨とせよ、時には寝かすのも有効
    →会社の仕事は重要な仕事は少ないから拙速は大事
     仕事は寝かすことで違うアイデアが出てストーリーを見直し、修正ができる。
  ・プレーイングマネジャーになるな
  ・口頭より文書が時間節約
    →レジュメがあればメモを取らなくてもよい。
  ・整理整頓はスピードアップの伴走車
  ・ファイルやフォルダの持ち方、メールは性格・簡潔に
    →メールは箇条書き、時候の愛さは不要、相手の立場に立ってメールする

3.時間の増大、広角的仕事術
  ・パレートの法則、捨てる仕事を決める
    →プライオリティの高い順番に2割やれば、仕事全体量の8割に到達する
    →仕事が発生したら、やらないで済む方法を考える。外注で済むのか。
  ・出ない、合わない、読まない
  ・人の力を借りる、部下に任せる
    →誰に聞いたら一番詳しいか、データはどこにアクセスすると良いか。
  ・上司との付き合い方は最重要課題
    →サラリーマンにとって、上司が一番大事。
    →2週間に1回、上司が一番暇な時間帯に30分のアポイントを入れる
     文書で「報告事項3件、相談事項2件」と書く
    →報告に来ないヤツは上司に捕まる
    →仕事の話ばかりではなく、上司のプライベートも気遣う。
     上司のスケジュール、悩み事、出身校、誕生日、家族構成は知っておく。
    →部下の目線で話をする。
     部下は自分の家族と思う。自分からプライベートな話が漏れなければ、いくらでも話てくれる。
    →業務効率化はコミュニケーションと信頼関係。
     コミュニケーションとは、仕事が発生した時に品質基準を決めてあげ、全部終わる前に必ず中間チェックを入れてあげる。
     信頼関係があれば、自分が変なことをした時に部下は注意してくれ、悪い情報をすぐに報告してくれる。
  ・2段上の上司との上手な付き合い方
    →2段上の上司は、上司の評価と異動をひっくり返す力をもっているから大切
  ・会議は最小限に、ミーティングは頻繁に
  ・隙間時間の活用、いつも身近に仕事のファイルを持つ
  ・目の前の仕事を頑張る、わらしべ長者理論


○なぜ今、ワーク・ライフ・バランスか? 
  ・日本の経営者は認識しづらい。
   →職場の多忙は日本企業の競争力の源泉だと思っている。
   →寝ても覚めても仕事を考えることを経て、人材が育ち、仕事の幅が広がる
   →非正規雇用者の穴を埋めるのは正規雇用
   →育児支援などの企業のコストアップ

○ワーク・ライフ・バランスの効果
  ・社員の満足度を高める:がんばる気持ちになる、体調がよくなって元気になる、いいアイデアが出る。
    →日本人は働きすぎで心身ともに疲労
  ・生産性の向上につながる:効率的組織になる
    →仕事の見直しにより、時間当たりの生産性の向上を考えるようになる。
     45才過ぎて長時間労働をやっている人間は、50才過ぎると完全にお荷物になる。
     40代はしなやかに生きて、男の勝負は50代。
  ・有能な人材の確保:いい人を引き付ける
    →働きやすい会社に有能な人材が集まる
    →定着率の向上、貴族意識の醸成

・残業が悪いとは思っていないが、一般の会社の一般の仕事は、やりようによって6時に帰れる。
 20代、30代でプロになろうとしている人が、6時に帰ってもプロにはなれない。


○残業・休出問題について、残業をやめさせた時に部内に出したメモ
  ・法律に逆らう常識の欠如→36協定を知っているのか
  ・バランス感覚の欠如→インプットとアウトプットのバランスはどうなのか
  ・プロ意識の欠如→プロは限られた時間で結果を出せる
  ・想像力の欠如→そういう生活をしていたら、体を壊し、家族との絆を失うとう事を想像できない
  ・向上心の欠如→仕事に時間を取られて、自分への投資時間が無くなる
  ・羞恥心の欠如→大した結果も出せずに、残業代を払うのか
  ・マネジメントの欠如→マネージャーがきちんと管理すれば残業問題は起こらない


○経営戦略としてのダイバーシティ
  ・ダイバーシティとは多様性の受容
    多様な人材を活かすとは多様な働き方を提供すること
  ・多様性のコンフリクトがイノベーションを生み出す
    違う考え方を言う人がいると、必ず会社の中で対立が起こる
    対立が起こると議論かせ起こる
    議論が起こると、それが本当に正しいかどうかという検証をやる
    →ものの重要性が分かり、経営が強くなる
  ・個人として自分のブランドを確立すること
    自分はどんな人間なのか、自分は何をしたいのか
    人は自分の為に、働く

○これからの時代をどう生きるか
・皆んな色んな事情を抱えて重たい荷物を抱えながら、頑張ってるけど結果がでない。
・自分の選んだ道を、一生懸命頑張る。
・愛とは責任である。
・運命は引き受けよう。
 →運命の中で一生懸命やろうと、そういう事が自分の幸せにつながるのではないか。
・志があればスキルは後からついてくる。
・志、パッションがある人は、その先のものを見出していく力がある。
自己実現の為、自分が納得、人に認められる為に仕事をやるのだと思っていたが、50才を過ぎて、それは違うと気づいた。
 →自分を磨くため、世の為、人の為に働くことは、働くモチベーションの根幹にある。
・40才くらいまでは、技術、スキルが必要。それから上になると人格、モラルのウェイトが大きくなる。
 →大きな組織を動かすには、信頼感があり人間性の優れた人にならなくてはならない。
・今の若い世代の人達には、自分を大切にしてほしい。
 →色んなことにトライしていかなければならない。大きい仕事、難しい仕事は苦労も多いけど、収穫も大きい。
 →対人関係もたくさんの人と交わると、確かに苦労も多いけれども、プラスも多い。
 →自分を磨いて、結果的に自分を幸せにする。自分を大切にする生き方をしてほしい。