「残業ゼロ」という思想を提唱しているトリンプ・インターナショナル・ジャパンの元会長、吉越浩一郎氏の本。人生をトータルで幸せにする「人生力」が重要だと理解だきた。著者の言うとおり、「人生全体を俯瞰し、人生の勝ち組を目指し」たい。残業をして人生を無駄に過ごしている人達が、一人でも多く、この思想に気づくべきだと思う。

「残業ゼロ」の人生力

「残業ゼロ」の人生力


○残業が「仕事力」を奪う。
・残業が常態化している会社では、個人や組織の抱える問題が、残業によって覆い隠されてしまい、その問題はいつまでたっても改善されずに残ってしまう。
・パフォーマンスや経営効率を上げるためには、何が足かせやボトルネックになっているかをつきとめ、1つ1つ潰していく必要がある。
・それをやらずに、「不都合な現象」が現れるたびに、残業で場当たり多岐に対処しているようでは、その現象を発生させる根本が放置されたままなので、同じことが何度も起こる。
・仕事が業務時間内に終わらない時は、なぜ終わらないのかその原因を追及し、問題を顕在化させ解説してしまえば、次からはその仕事は時間内に終る。
・それをやらずに、毎度毎度残業で対処しているというのは、やらなくてもいいことを、わざわざ残業してやっていることらほかならなく、その残業は何ら会社の生産性を高めてはいない。
・残業が社員の「仕事を効率的にやる無能力」ほスポイルしている。
・残業を無くそうという気持ちが本気なら、残業はか必ず無くすことができる。
・マネージャークラスの人なら、まずは自分の部署のメンバーの残業ゼロを目指す。
・まずはできる事から始め、あきらめずに徹底的に続け、一歩一歩ステップを上がる。
トリンプ・インターナショナル・ジャパンでも、完全な残業ゼロを実現するまでに10年以上かかった。


○仕事力=能力×時間×効率
・残業しないぶん、効率を上げて補うと考えるべき。
・自分達が効率の悪い働き方をしているという自覚もないので、やりようによっては仕事のペースをもっと上げられるということが想像できない。


○効率化の第一歩は、TTP(徹底的にパクる)。
・うまくいっているやり方を真似することを恐れない姿勢こそが、仕事わ効率化する第一歩。


○「デッドライン」なくして、効率アップはありえない。
・デッドラインは、全身全霊を傾け、必死になって取り組んで、それでも終わるかどうかというギリギリのところに設定し、余裕わ与えてはならない。
・残業を与えずに、持ち時間は就業時間内だけに限定する。
・それで、残業をしていた時より遥かにタイトなスケジュールで仕事をこなさなければならない局面に追い込まれた時、人は初めてどうすれば、それかせ可能になるかを真剣に考えるようになる。
・苦しみながら何とかその状況を乗り越えようとしているうちに、仕事の密度は濃くなり、スピードが上がっていく。
・。仕事というのは、本当に集中してやっていれば、終業時間にはヘトヘトになって、とてもじゃないが残業などできる状態ではない、というのが本来である。


○人生の収支決算を黒字にする。
・60歳の現役の間は、睡眠と会社の拘束時間、往復の通勤時間を除いた1日5時間が「ライフ」になるはず。
・しかし、連日4時間の残業があるなら、ライフのための時間は1日1時間しか残っておらず、1時間ではパートナーや子供とゆっくり会話する余裕すらない。
・現役時代は仕事や会社命で、その見返りに高い満足感を得ていても、その後のライフを充実する術を知らず、悔いを残したまま終えざるを得なかった企業戦士が多い。


○「健康」「幸福」「富」を準備する。
・多くの日本人にとって、人生は仕事のためにある「Life for work」。
・だから、会社は精神修養の場だとか、仕事を通して自己実現をするだとか、おかしないい方が平気でまかり通ってしまう。
・そもそも仕事というのは、生活を支え、成り立たせるためにするもので、人はお金を稼ぐために働くのであって、仕事の意味はそれ以上でもそれ以下でもない。
・だから、本来は「Work for life」でないといけない。
・多くの人は、リタイアした後、20年〜30年の人生の活動単位は夫婦になるので、若いうちから夫婦のコミュニケーションを十分にとって、パートナーシップを深めておいたほうがよい、


○世界の労働者の常識
「国際労働機関のILOの第132号条約」(日本は批准していない)
 ・疾病による欠勤や公休、習慣上の休日は有給休暇に含めることを認めていない。
 ・有給休暇の日数は、6か月以上の勤務実績があれば、最低3週間、そのうち2週間は連続して与えなければならない。
国際財務報告基準(IAS第19号)」
 ・有給休暇には買取りのための引当金を計上するよう定められている。