香山リカさんと江川昭子さんが2010年9月11日に、長野県須坂市で行った信州岩波講座での講演と対談に加筆したもの。まさに、誰もが「弱者」になる時代に届けたい1冊である。


きびしい時代を生きぬく力 (岩波ブックレット)

きびしい時代を生きぬく力 (岩波ブックレット)


<読書メモ>

香山リカさんの講演「誰もが『弱者』の時代に」

・「人生はままならないもの。人生って思い通りにいかないもの。」
・その一方、「たいていのことには解決法がある。たいていのことから、人間は回復する力がある。」
・毎年9月10日は、世界自殺予防デー。日本は12年連続で3万人以上が自殺している。
・2010年9月7日、厚生労働省が、うつ病や自殺で2009年、日本が社会的な損失を受けた金額を推計し、約2兆7000億円という数値を公表した。


江川昭子さんの講演「生きる力を育むために」
・希望を持って極限状況でも生き続けるために必要なこと。
 1.どういう状況でも楽しみをみつける。
 2.無理に勝とうとしない。自分の原則は曲げずに、柔軟に対応する。
3.自分の仕事に対する強いプロ意識を持つ。
 4.自分を見る客観的な視点を見失わない。考えても仕方のない事はとりあえず擱いていて、今できることは何なのか、今あるものは何なのかということを集中して考える。
 5.人間関係をつくっていくコミュニケーションをとる力。