成長を続ける企業と没落していく企業の差は、「企業の存在理由」であり、供給力過剰時代に勝ち残るには下記の2つに対する回答を用意する事が必須となる。

1.何ゆえに、その会社が社会にとって必要なのか?
2.提供する商品なりサービスが類似品とどのように異なるか明示できるか?
ミッション・ステートメント(社訓)が企業生き残りの必要条件で、差別化が十分条件である。

1980年代に日系企業に敗北した米国企業が、1990年代に企業のミッションを延々と議論し、競争力を取り戻した。
本書では、米国で成長を続ける40社の社訓と、その背景とエピソードが紹介されており、社訓の重要性を認識できた。


世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う

世界最強の社訓―ミッション・ステートメントが会社を救う

<読書メモ>
○ミッション・ステートメントを作成する為の6つの法則

1.必ずしも短い必要はないが、シンプルであること
 →「自分たちの会社をどう定義づけたいのか」「どのようにしてミッションを達成するのか」

2.社内の意見をできるだけ広く集めること
 →経営陣がミッション・ステートメントを書き、上級管理職や一般社員のコメントを求める

3.外部の力をうまく活用すれば、明快さと新鮮なものの見方を持ち込むことができる
 →第三者が入ることで社内の政治的な駆け引きを回避できる

4.言葉づかいや語調には、会社の性格や姿勢を反映させること
 →昔の言葉遣いは、会社の風格を感じさせる効果があり、またフレンドリーな会社にするには温かさ、やさしさを反映した言葉使いを選ぶ

5.可能なかぎりの手段をつくし、また必要なだけの言葉を使って、ミッシヨン・シテートメントを全社員が共有できるようにすること。常に人々の目に触れるようにすること。
 →ミッションカードを財布に入れれるサイズのものと、卓上に飾っておくもの2種類を用意
  社員が社訓について学べるように勤務時間を割いて講習会を開く

6.ミッション・ステートメントを指針として活用すること。常に見直しを怠らず社員の評価にも取り入れること。経営者はいつもそれを口にしつづけ、実践し続けなければならない。
 →多くの会社では社訓にどれだけ忠実であるかによって社員の評価が決められ、何を期待されているか誰の目にも明らかにしている。