「消費の二極化」では説明できない日本人の消費スタイルを、「プレミアム消費」「徹底探索消費」「利便性消費」「安さ納得消費」の4スタイルに分け、定量データを基に整理、説明されている。

第三の消費スタイルである日本独自の「利便性消費」の市場に占める重要性が高まっているとされ、当該市場の攻略こそが、マーケティング戦略のポイントとしている。
何も考えていない消費者だからこそ、面倒を解消するちょっとした利便性を提供するだけで、消費者を獲得できる可能性が高いとしている。



<読書メモ>

○独立した2つの価値観
・消費の二極化論は、高級志向と価格志向の2つで整理され、「価格感度」と「こだわり」に負の相関(逆比例)がある事が前提となっているが、2つの消費価値観を2つの独立したものとして考えることにより、日本人の消費スタイルを明らかにすることができる。
・縦軸ほ「価値感度」、横軸を「こだわり」として、4のタイプに分ける。

○プレミアム消費(消費の二極化論では「高級志向」)
・自分のお気に入りにコダワリ、値段は多少高くてもよい
・しっかりと対価を払う意識がある
・13%(2000年)→18%(2003年)に増加

○徹底探索消費(これまでの消費の二極化論に無いカテゴリー)
・お気に入りの商品を探すことにも、価格が安いことにもこだわる
・お気に入りの物を一番安い価格で購入する
・10%(2000年)→13%(2003年)に増加
・「価格.com」「比較.com」を利用
・自分のために情報を多く集めるがね周りに情報発信はしない

○利便性消費(これまでの消費の二極化論に無いカテゴリーで「第三の消費スタイル」)
・商品に対するこだわりも、価格の安さへの志向も希薄
・商品やサービスにアクセスする仮定の利便性を重視
・便利に買うことさえできれば、商品価格にこだわりを持たない
 →合理的には「何も考えていない」消費スタイル
・プレミアム消費とは違い、ただ何となく便利だから購入する
・欧米には存在しない消費スタイル→欧米のビジネスモデルに限界がる要因
・37%(2000年)→35%(2003年)と日本人の最大多数
・年齢は仕事をがんばる40〜50代と団塊の世代であり、高い消費余力を持っている
都心部に多く、お金あり、時間無し、仕事も家庭も大事
・御用聞き、コンビニのATM、駅ナカ、24時間スーパー

○安さ納得消費(消費の二極化論では「低価格志向」)
・商品にこだわりは無く、価格が安いことだけで評価する
・40%(2000年)→34%(2003年)と減少するもシェアは高い
発泡酒ソースネクストのソフト

○中途半端なターゲティンクは失敗する
・ターゲットを絞り込み4つの消費スタイルのどこを狙うのか明確し、極端な戦略が必要
・商品購入のプロセス(時用法収集、商品比較、購入決定、買いに行く)を分解して、消費者か何を面倒と思っているか探り出す
・消費チェーンの両端(製品認知、アフターサービス、廃棄)の利便性が不十分

○その他
・個人の中でも商品によって4つの消費スタイルは異なる
DINKS(Double Income,No Kids)は増えていない、子供のいない共働き夫婦世帯は3%