今日は「ベンチャー・フェア Japan 2007」最終日。ソフィアバンク副代表の藤沢久美さんのコーディネートで、事業創造大学院大学理事長・池田弘氏、レオス・キャピタルワークス・社長・藤野英人氏が出演されるということで、早めに会場に行き、前の方の席に陣取りじっくり話を聞いてきた。

藤沢さんは非常に慣れた感じで、2人から面白い話を引き出し、本当に素晴らしいコーディネーターだった。
藤沢さんのまとめのメッセージ「人間としていかに生きる意味を深く考え」、世の中を変えていく原動力となれるような起業家を目指したい。


テーマ「ベンチャー資金論」<パネルディスカッシヨンのメモ>


池田弘氏の略歴
・25歳で実家に戻り宮司。27歳で境内に学校校舎を建てて教育事業を始めた。
・校舎を建てる時に2千万円必要だったが、共同事業者と二人で、各々の親から500万円づつ借りて、残りは信用組合から、親に保証人になってもらい融資を受けた。
 →結局、親には返済していないが、保証人のサインを親に書かせた時、生半可な気持ちが吹っ飛び、本気度が増した。
・ワールドサッカーの新潟誘致の目的で設立された「アルビレックス新潟(2003年J1リーグ昇格)」の経営危機を地元住民の支援を受け建て直した。現在、シーズンパスポートは2万人が常時購入。日本一の後援会となっている。
・20064月開講の事業創造大学院大学は、起業家教育で有名な米国バブソン大学と提携している。

藤野英人氏の略歴
野村アセットマネジメントJPモルガン、ゴールドマンサックスを経て、3年前にレオスを設立。
・日本には独立系のまともな運用期間が少ない(さわかみ投信スパークスくらいしかない)ので、新興企業応援するファンドを設立し、あらゆるステージのベンチヤー起業に投資するファンドを運営。
・4名で資本金1000万円で運用会社を設立したが、関東財務局に供託金500万円を差出し、事務所の整備に400万円使ったので、スタート時に100万円しか残ってなかった。
・事務所の備品は殆ど、ITバブル企業で潰れた会社から貰ってきた。
・信用保証協会は金融業には貸してくれないので、コンサル業として借りた。
・最初は外資投資銀行時の1/10まで給料が下がったが、今は社員14名まで増えた。
・ブティク型ファンドは、離職率が普通は高いが、退職者は1名のみ。(その1名も、出資先に移籍しIPOさせた)


ベンチャー企業の資金調達
・資金調達を必要以上にジャプジャブにした会社は、潰れるケースが高い。
・成功した会社は、必要な時に必要な資金だけ調達して、カツカツでやっている。
・資金調達の順番
 1.まずタダで貰ってくる。(①少しカンパしてくれ、②リストがあるから、いらない物をくれ)
 2.もしもの時に踏み倒せる人から借りる。近くて迷惑を掛けても許してもらえる人
 3.最後に出資


○起業家に必要なモノ
・理念、大義名分は大事。特に若い人を引き付けるには理念がないと付いてこない。
・色んな人を動かし、仲間がこの人なら付いていこうというドライブになる為には理念が必要になる。
・なぜ、この仕事をするのか? 目標の高さが重要。
・その人になら騙されても仕方ないと思える人間的な魅力も必要。
・全く最初は理念が無くても成功しているケースもあるが、劣等感、めちゃくちゃハングリーの場合が多い。
・逃げるヤツか、逃げないヤツか、事業に対する真剣さが必要。
・起業成功者の共通点
  1.絶対にあきらめない。負けだと思わない。
  2.適度にお金に対し執着心がある。
  3.強い理念か、強い劣等感を持っている。


○出資したい会社
・理念があり、人にその思いをしっかりと伝えられいる。
・事業計画に、①なぜこの事業なのか?、②なぜ私(私達)なのか? ③市場動向について客観的に認識している、④どんなに小さくても良いので自分の過去の成功事例、がしっかりと書かれていれば、必ず誰かが投資してくれる。


○藤野氏の教育方針
・日本の子供は、子供という地位を確保しているだけで、毎月定額のお小遣いと正月にボーナスがもらえるのはおかしい。
・9歳の自分の子供に、あらかじめ目標を決めておき、イベント終了後にレビューし、達成ランクに応じてお小遣いを出している。
・お小遣いを渡す際には、ドル、ユーロ、円、人民元を本人に選ばしている。
 →子供なりに、毎日、為替の動向を見て勉強している。