MICビジネスプランニングセミナーでアタッカーズビジネススクール講師の志村勉先生が講義されるということで、三田まで行って来た。さすがアタッカーズスクールで教鞭をとっておられるだけあり、講義の内容は洗練され、あっという間の3時間半であった。

プロフィット・ゾーンがどこにあるか探し、どうすればそこで字器用を展開できるかを考え、顧客を観察し、プロフィット・ゾーンの変化を注視し、リモデル化していく必要性が理解できた。
お金と時間の都合をつけて、アタッカーズでの志村先生の講義を受講したいものだ。<講義メモ>
テーマ「利益を生み出す収益モデルとは」

○利益を高める方法
　・原価を下げる→生産性の向上(限界があり難しい)
　・売値を上げる→物理的・心理的に顧客から選択肢を奪う

○エイドリアン・スライウォツキーの23の利益モデル
　1.顧客ソリューション利益モデル
　2.製品ビラミッド利益モデル
　3.マルチコンポーネント利益モデル
　4.スイッチボード利益モデル
　5.時間利益モデル
　6.プロックバスター利益モデル
　7.利益増殖モデル
　8.起業家利益モデル
　9.スペシャリスト利益モデル
　10.スンストール・ベース利益モデル
　11.ディファクス・スタンダード利益モデル
　12.ブランド利益モデル
　13.専門品利益モデル
　14.ローカル・リーダーシップ利益モデル
　15.取引規模利益モデル
　16.価値連鎖ポジション利益モデル
　17.経費循環利益モデル
　18.販売後利益モデル
　19.新製品利益モデル
　20.相対的市場シェアモデル

　21.経験曲線利益モデル
　22.低こすと・びじねすでざいん利益モデル
　23.デジタル利益モデル

○相対的市場利益モデル
・これまではシェアを取れば、規模の経済、宣伝活動の優位性によりマーケティングコストが低減でき、市場をコントロールできた。
　 →業界内の競合各社の目標市場シェアを合計すると150〜170%となってしまう。
・しかし、トップシェアであっても利益率が低い会社もある(GM、ユナイテッド航空、USスチール)
・かつては、「成長市場に身を置くべき」と言われたが、成熟業界で成功している企業もある(GE、スウォッチ、コカ・コーラ)
・プロフィット・ゾーン(利益を獲得できる領域)に到達し、そこで収益性を高めるこ事を目指さねばならない。
　　→顧客にとって最も重要な物は何で、我々はどこで利益を得ることができるのかを考える。
・顧客のシステム経済性:製品やサービスの為に支払われる総額に加え、利用・補完・処分等、全プロセスを通じて必要な手間・コストがかかる。
　　→殆どの顧客は理解していない為、大きな利益の機会が存在する。

○顧客ソリューション利益モデル
・GEは製品を販売するのではなく、アフターサービス、ファイナンスまでのソリューションを販売
・高桑美術印刷はラベル・パッケージ印刷から市場調査・販促のコンサル業へ

○スイッチボード利益モデル
・顧客群への交渉力を持てる限界点を目指してサプライ側を束ねる
　→顧客や全体に影響力を持つKeyグループを味方につける事で勝ち組感が出る
・顧客群は、良質なモノ・サービスを手に入れる為には、それを選ばざるを得ない状況を作る
・マイケル・オーヴィッツ(タレント・エージェント)は、最大手の著作権代理店をおさえ、製作会社にワンストップ・サービスを提供

○製品ピラミッドモデル
・低価格から高価格までラインナップを作り、低価格帯商品を参入障壁とし、安定した利益を確保する。
・スウォッチのハイエク氏は、買収と提携により、価格帯に抜け目の無い完全な階層を実現
　高級品のブランパン、オメガ、ロンジン、ラドーが利益の6割を稼ぐプロフィットゾーン

○マルチコンポーネット利益モデル
・多くのビジネスはいくつもの構成要素でなりたっており、同じ商品で異なるビジネスをする
・コカ・コーラは、食料品店、レストラン、自販機で販売しているが、大半の利益はレストランと自販機で得ている。
　→食料品店で売ることで、ブランディング効果と大量生産効果により、コスト低減を図っている。
・本屋のバートンは店頭売りとは別に、外商による直販を展開することで高利益率。

○価値連鎖(バリューチェーン)のビジネスデザイン
・価値連鎖の最重要部分で最強のポジション(コントロール・ポイント)を確保する。

○プロフィット・ゾーンへ誘う為の質問項目
・顧客は誰か
・顧客の優先事項は、どのように変化しているか
・顧客となるべきなのは誰か
・顧客への価値を、どうすれば増加できるか
・どうすれば顧客の第一候補となれるか
・自社の利益モデルとは、どのようなものか
・現在のビジネス・デザインは、どのようなものか
・現実の競争相手は誰か
・最も手強い競争相手のビジネスデザインはどのようなものか
・次なるビジネスザデインは、どうあるべきか
・戦略コントロールポイントは何か
・自社の価値はどれくらいか

参考図書

ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか

プロフィット・ゾーン経営戦略―真の利益中心型ビジネスへの革新