前から気になっていたのだが、漸く読む事ができた。
新書で起業する際のエッセンスがコンパクトにまとめられており、起業準備期には
大変参考となる内容の本であった。
「自営」は英語で「self-employed」。
著者である一橋総合研究所の基本コンセプトは「現役で活躍中のビジネスマンが
本業の合間を縫って実務経験に立脚した政策提言を行う」とのこと。
- 作者: 一橋総合研究所
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/07/20
- メディア: 新書
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○起業する前に
・起業準備の目的は、起業後のリスクを減らすこと。
・自分の弱点を把握し、創業パートナーを探す。
・手に職をつけておき、手堅い収入源を確立する。
・個人的なローンを起業前に組んでおく。クレジット・カードも作っておく。
・会計の勉強をしておく。
→「EBIT」(Earnings Before Interest and Taxes):支払い前の税引き前利益
会社の価値=自己資本と借入金で行う事業の価値−税金
事業から得られる価値は、株主と金融機関と政府との取り合いであるので、
その前の分配資源はいくらなのかという意味。
・「自分にとってどんな意味があるのか」を常に問い続ける。
→何が起こっても受け流さずに、常に自分にどんな影響を及ぼすのかを考える。
○起業する時に
・理不尽を許容してくれる社員で固める。
・1年間給料ゼロでよい人だけで始める。
・最初に期間を決めて起業する。
○会社を大きくしたくなった時に
・創業メンバーの能力の見極め
→ステージが代われば必要な人材も変わる。
・明快なビジョンを示す
→成長する会社は当たり前のことを口を酸っぱくして社員に叩き込んでいる。
→ビジョンを設定する目的は、ルールがない状況下で自分で判断して行動する
社員を育てる為。
→ビジョンを有効に使う方法は、「ビジョンに基づいて行動した結果の
失敗は許す」事。
・銀行の使い方
①現預金の範囲内。借入の実績作りの為であり理想的。
②「売掛金+棚卸資産−買掛金』の範囲内。運転資金の借入。
③「税引後利益+原価償却費」×5倍の範囲内。②を超える部分は長期
借入にする。
○上場したくなった時
・上場とは会社を一般の人に切り売りするということ。
→日本の法人数は約255万社。上場企業は3700社であり、全法人の0.15%。
→社員に株を持たせる場合、普通の社員であれば年収の1〜2倍程度に
しておくべき。
・利益の少ない会社の株式は価値が低く、売り物になる最低限の時価総額
ラインは20〜30億円。
→株価は利益の20倍。年間1億円の利益がある会社の時価総額は
1億×20=20億円。
→新興市場では時価総額2億円でも上場申請を受付けるが、資金調達、
創業者利益の実現は難しい。