武蔵野法人会主催の税制セミナーで、税理士の熊王征秀先生(大原大学院大学・助教授)が、19年度の税制改正について解説された。

先週の3/30に公表されたばかりで、詳細については不明な点もあるため、今後のウォッチが必要とのことであった。<税制改正の解説メモ(中小企業関係のみ)>


○平成19年度税制改正の要綱(概要) 財務省/税制サイト
 法人税制については、経済産業省の説明資料が分かりやすい

 
減価償却制度】
 ・平成19年4月1日以降に取得する減価償却資産
  <現行>償却可能限度額は取得価額の95%、残存価額が残る
  <改正>耐用年数経過時点に1円まで減価償却可能、250%定率法を導入
 ・平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産
  <改正>償却可能限度額まで償却した後、5年間で1円まで均等償却が可能
 ・フラットパネルディスプレイ製造設備の法定耐用年数を短縮
  10年→5年に短縮

【中小企業関係税制】
 ・同族会社の留保金課税制度
  <改正>適用対象から中小企業(資本金1億円以下)を除外
 ・実質的な1人会社(特殊司会同族会社)のオーナーーの役員給与の一部を
  損金不算入とする制度
  <現行>適用除外基準である基準所得金額800万円(来年の申告まで有効)
  <改正>同金額を1600万円に引き上げ
 ・相続時清算課税制度
  <現行>申告を前提に65歳以上の親から20歳以上の子への贈与につき、2500万円の
     非課税枠(限度額まで複数回使用可)、超える部分は税率一律20%で課税
  <改正>特定非上場株式贈与特例の創設
     取引相場のない自社株式を後継者てある子供に贈与する場合、贈与者の
     年齢要件を60歳に引き下げ、非課税枠を3000万円に引き上げる
     (発行済株式の総額が20億円未満が対象。受贈者が代表で株式50%超保有
      条件で、特例選択後4年間の経過時点で判断)
  →小規模宅地の特例が使えなくなるかもしれないので、確認が必要。
 ・エンジェル税制
     適用期限を2年延長、適用対象企業の要件緩和、確認手続きの合理化


【証券税制】
 ・上場株式の配当及び譲渡益に対する軽減税率10%
  <現行>平成19年12月末まで、その後20%に復帰
  <改正>平成20年12月末まで1年延長、その後20%に復帰


【住宅・土地税制】
 ・住宅ローン減税(平成19年度、20年度の入居者に限った特例措置)
  税源移譲(所得税→住民税)に伴い中低所得者層の減税額が減少することを
  踏まえ、控除期間・控除率の特例を創設
  <現行>控除期間10年 
     最高控除額:19年度入居者200万円、20年度入居者160万円
  <改正>控除期間を10年→15年へ(最高控除額は現行と同じ)


【納税環境整備】
 ・電子証明書を取得した個人の電子申告にかかる所得税の税額控除制度を創設
  控除額5000円
 ・コンビニで納税できる制度を創設