立教ビジネススクールの5期生を中心に運営されている「ケース研究会」に参加した。

今回が第3回目とのことで、山口大学大学院技術経営研究科教授の大久保隆弘先生を講師に招いて、中小企業基盤整備機構と大久保先生が作成した「ナカシマプロペラ」のケースと、大久保先生の著書『リーダーは95歳』を教材に「聖路加国際病院」をテーマに議論された。
大久保先生の「現在行われている医療改革は、医療の本質的な改革ではなく、財政主導の社会保障費削減が目的の改革」というコメントに、同感である。


リーダーは95歳―日野原重明と聖路加国際病院の人々

リーダーは95歳―日野原重明と聖路加国際病院の人々


<ケースの講義メモ>


○著作に至った経緯
 ・大久保先生の高校の同級生が聖路加病院の内科医長であり、医療問題について
  話をしていたのがキッカケ。
 ・1995年の地下鉄サリン事件の聖路加病院の突発的な事故に対する対応について
  2002年に慶応ビジネススクールの高木研究室がケースを作成。
 ・大久保先生はホスピタリティを研究テーマに、2003年12月末から半年かけて
  聖路加病院でインタビューを開始し、ようやく2006年11月に出版に至った。
 ・当初の書名は『働く病院』で考えていたが、出版社に「95歳のリーダーの下で
  働く病院」という意味だと説得されてしまった。


○聖路加病院の特徴
 ・医師の権限が絶対的ではなく、組織がフラット
 ・100年前の創設者26歳の時に掲げた「生きた有機体」という社風
 ・患者第一主義の理念が明確で、ビジョン経営を実践
 ・キリスト教聖公会の教え(リベラル)と米国流の医療システム
 ・職員の給与はそれほど高くはない
 ・システム投資(ベンダーは富士通)により、管理会計を実施<読書メモ>