5月14日に放送されたNHKスペシャル「存続か廃止か 〜岡山市・住民サービスをめぐる攻防〜」という番組の録画を見た。

自分の出身地・香川県の瀬戸内海の向こう側、岡山市の財政悪化状況について、こんなに酷い状況とは思ってもみなかった。
全国で1/5の市町村の財政が危険水域に達しているそうだ。
中央から地方に分配するのが政治であって、政治不在の現状の中、急に方向転換を迫られ、財政圧縮の責任を負わされても、ぬるま湯にドップリつかった地方公務員では対応できないであろう。
岡山市では今後5年間で700億円の削減を目指すそうだが、無理であろう。
まさに住む自治体を選ぶ時代の到来である。<番組メモ>

地方自治体の財政悪化の原因
 ・国の三位一体改革で、地方交付税が削減され、自治体は総額200兆円を
  こうる借金を抱えている。


岡山市(人口69万人)の惨状
 ・7000億円(市の年間予算の3倍)の借金、市民1人当り100万円の借金
 ・2005年10月に民間出身で企業再生の実績を持つの高谷茂男・市長が当選し、
  職員採用を3年間凍結、2100種類の行政サービスの総点検を実施。
 ・2006年9月に行政改革推進課を11名で設置。
  →3年間で2100事業を見直し、初年度は30%の見直しを指示。


○財政悪化の経緯 
 ・90年代に借金が増加。1992年はの謝金は3000億円であった。
  →道路、公共施設、下水道等のインフラ投資による借金が原因。
 ・土地区画整理事業は年間30億円を投入していたが、いつの間にか100億円に増加。
  →都市整備局・区画整理課では、工事後に検証をしたことは一度もなかった。
 ・「3丁目劇場」は2000年に280億円をかけて建設したが、年間800万円の赤字。
  →国の優遇制度である地域総合整備事業債により建設。
   融資金額の65%が地方交付税で負担してもらえた。
 ・国は1993年、不況対策を目的に公共投資を推進し、大型公共事業を推奨した。
  →岡山ドーム 建設費75億円 
  →ふれあいセンター(5ヵ所) 建設費296億円 
  →岡山コンベンションセンター 建設費96億円
 ・下水道事業の借金2500億円。全借金の1/3.
  →念願の政令指定都市(70万人以上)を目指し、周辺4町を合併した際の条件に
   農業集落排水の整備を約束。
 ・現在、高齢者専用住宅は68戸(家賃月48千円、入居募集の倍率20倍)のみで、
  独居老人1万6千人を今後どう支えるかが大きな課題となっている。


○初年度(2007年)の事業見直し結果

- 事業数 削減額
廃止 89 120,219千円
民営化 2 1,636千円
国へ事業移管 0 0円
県へ事業移管 0 0円
改善(事業縮小) 15 17,792千円
改善(民間委託) 27 281,465千円
改善(収支・やり方の改善) 176 165,856千円
改善(事業強化) 11 300千円
現行通り市が実施 10 0円
合計 334 587,268千円

→市の年間予算の1%未満を削減成功