最近、BRICs経済で有名になっている門倉貴史氏の著書を読んだ。統計のないサービスの市場規模ついて、積み上げの考え方は、新規事業の検討時に、大変参考になる。

様々なサービスの儲かるウラの事情が紹介されており、興味深かった。


<読書メモ>


○賭博は国の重要な収入源
 ・国と地方が主催する公営ギャンブル控除率(テラ銭)
   宝くじ50%
   競馬、競輪、オートレースは25%
・2005年の国内ギャンブル市場(社会経済生産性本部レジャー白書2006」)

中央競馬  2兆8,950億円
地方競馬    3,690億円
競輪      8,880億円
競艇 9,780億円
オートレース 1,140億円
パチンコ 28兆7,490億円


○パチンコ業界
 ・パチンコは、シカゴで誕生し、名古屋で育った。
・パチンコの「換金制度」
   パチンコ店で換金することは風俗営業法(風俗営業の規制及び業務の
   適正化に関する法律)によって禁止されている。
   パチンコ店は風営法をクリアするために、換金システムに特殊景品
   卸売業者を会に㈲させるという巧妙なトリックを使い、合法的に換金
   できる仕組みを作っている。
   パチンコ店、特殊景品の卸売業者、景品交換所の3社は全く独立した
   事業主体となっている。
 ・パチンコ機の新台入れ替えコスト
   メーカー各社は財団法人保安電子通信技術協会(保通協)の試験をパスした後、
   各都道府県の公安委員会の認可のあと、管轄の警察が最終試験を実施。
   上記の費用に、パチンコ機150万円、パチスロ機180万円。
   保通協は、警察幹部の天下り先。


○占いビジネス
 ・占いには「命(めい)」「卜(ぼく)」「相(そう)」の3つに分かれる。
   命:生年月日、時間、誕生地等の情報を基に人の運命や宿命を占うもので、
     統計学的な色彩が強い。運命学とも言われ、四柱推命、西洋占星術
     算命占星術等がある。
   卜:占い対象と占題を絞り込んだ上で、占う時点の占機によって、近未来の
     吉凶を占うもので、タメットカード占い、トランプ占い、ホラリー占星術
     水晶占い、おみくじ占い等がある。
   相:手や顔などの目に見える形から、現状や未来を推量占うもので、手相占い、
     人相占い、家相占い、姓名判断などがある。
 ・おみくじの吉凶割合は、大吉が16〜17%、凶が30%程度。
 ・全国のおみくじの6割以上を、山口県周南市の有限会社女子道社が製造している。
  同社は、神職における女性の地位向上を目指す運動の展開資金源確保を目的に、
  明治時代の1906年よりおみくじ生産を開始した。
  従業員は6名のみだが、周辺農家の主婦約60人が自宅で内職をしている。


○口コミという名の「ねずみ講
 ・ねずみ講は28代目には日本の人口を超えてしまう。
 ・ねずみ講による資金集めや加入・勧誘は、1978年成立の「無限連鎖講の防止に
  関する法律」で禁止。
 ・マルチ商法は、法律で禁止されていないが、「特定商取引に関する法律」に
  よって、広告規制、契約書面の交付義務、クーリングオフ制度などの厳しい
  規制が設けられている。


○ラブホテルの産業
 ・「改正風俗営業適正化法における店舗型性風俗特殊営業の第4号営業」に
  あたるラブホテル数は、2005年で6414軒。
  風営法施行の前年1984年時は、11,604軒。
 ・裏ラブホテルを含めると3万7千軒。
 ・1軒当り客室数は平均20室で、1日2.5回転する為、
   37千軒×20室×2.5回転=185万室/1日×平均単価7千円
   185万室/1日×平均単価7千円=129億5千万円
   年間4兆7千億円の市場規模となる。


中村屋のカリー
 ・日本にインドカリーが伝わったのは1927年。
 ・英国からの独立運動に身を投じていたラス・ビバリ・ボースというインド人
  青年が、日本に亡命してきた時に、かくまったのが、中村屋の創業者の
  相馬愛蔵だった。後にボース氏は、相馬家の娘婿となった。


○葬儀ビジネス
・年間死亡者数

2003年 100万人超
2005年 108万4,012人
2038年(予測) 170万人


・市場規模 2002年   7,806億7,100万円
      2005年   7,976億4,500万円
      2010年予測 9,161億円
      2020年予測 1兆985.9億円
      2038年予測 1兆2,509.1億円

・平安レイサービス(神奈川)は「グリーフ・ケア」という遺族に対するメンタル
 ケア面のサービスを開始。