資金繰りコンサルタントの小堺桂悦郎氏のベストセラー本が出版されて約1年後に読むことになった。バンザイシリーズ3部作のエッセンスだと聞いていたので買わずに、近くの図書館に予約した所、15人待ちということで、申込みから3ヶ月もかかって忘れた頃に手元に到着。

独特の軽い会話形式なので、大変面白くサクッと読め、気づいたら読み終えていた。
大企業の会計とは異なる中小企業の会計学という切り口であり、自営業者であれば、小堺氏の著書を一通り読んでおいて損の無い本である。

なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?誰も教えてくれなかった!裏会計学

なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?誰も教えてくれなかった!裏会計学

<読書メモ>


○耐用年数

鉄筋コンクリートの建物(事務所) 50年
自動車(普通車) 6年
自転車 2年
机・イス(金属製) 15年
テレビ 5年
パソコン 4年
時計 10年
金庫 20年
自動販売 5年

 ・事業用としてモノを買う場合には、耐用年数と減価償却に気をつける。
 ・10万円以下の物であれば、消耗品か事務用品で落とす。


○車を買った時の経理処理
 ・車の場合、諸費用は一発で経費にできる。
  →車以外の設備投資では、設置に係った費用・手数料は全て購入価格に
   上乗せされる。
 ・買った初年度は月割り償却となるので、時期を考えて購入が必要。
 ・金利は支払い利息として経費となる。
 ・新車の耐用年数は6年だが、中古車は経過した年数を6年から差し引く。
  →3年落ちならば、残りの耐用年数は3年。
  →6年落ちならば、2年で償却。


○「脱税」と「ペナルティ」
 ・脱税は犯罪なので、税家調査や国税の査察で発覚すれば、追徴税などの
  ペナルティが多額に課せられる。
 ・「延滞税」:当初の申告期限から2ヶ月間は4.2%の利息。
       :それ以降追加の納税額を全て支払い終わるまで14.6%の利息。
 ・脱税が悪質であると、重加算税として追加納税額の35〜40%が課せられる。
 ・税務調査は最長で7年過去にさかのぼる。


○家族経営の会社こそ生命保険
 ・個人として生命保険に加入しても所得控除があるのみだが、同じ
  事業規模でも法人であれば、契約と保健の種類によっては経費となる。
<契約関係>

契約者 会社
被保険者 経営者または社員
受取人 会社

<保健の種類>
養老保険、定期保険、終身保険のうち、
掛け捨てタイプで保証が大きく取れるのは定期保険
解約利回りを良くする為に、補償額が後になれはなるほど増えていく
タイプの逓増(ていぞう)定期保険を開発している。


 ・保険料が年間100万円の場合、法人税率を50%と課程すると、保険に
  加入した場合は、加入前よりも50万円法人税が少なくなる。
  →経費が100万円増えたので利益が減る分、法人税も減る。
  →つまり、100万円の保険料といっても、半分は法人税分であった
   はずなので、50万円足して保険に入ってはどうか?という考え方。
 ・年間100万円の保険を5年かけて、解約した場合、掛け金500万円の
  約7割の350万円が解約返戻金として戻ってくる仕組み。
  →支払った500万円は経費となったが、半分の250万円の法人税
   安くなり、実質保険料は250万円で済んでいることとなる。
  →250万円の払い込みで350万円のリターンとなり、140%の利回り。
 ・解約返戻金は契約時が年々決まっており、最終的にはゼロとなる。
 ・解約返戻金は雑収入として計上され、法人税の対象となる。