京セラ創業者・稲盛和夫氏の有名な著書(敬天愛人は京セラの社是)を読んだ。経営者としての心構え、気概、大変感銘を受けた本であった。
京セラの初年度決算で400万円の利益が出たので、京都銀行から借りた1000万円を3年で返せると考えていたら、利益の半分を税金で徴収され、残りの利益から役員賞与を出すと知らされ、残りが100万円になり、途方にくれたという話は笑えた。
- 作者: 稲盛和夫
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2006/03
- メディア: 文庫
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○「フィロソフィー」をベースにする
・経営というものは、経営者の人格の投影でしか有り得ない。
○「人の心」をベースにする経営
・幸か不幸か、人、物、金の経営資源を全く持たない、ゼロからの創業であった為
従業員相互の心の絆を大切にして経営を行うしか方法はなかった。
・うつろいやすく不確かなものも人の心なら、一度互いが信じ合い通じ合えば、
限りなく強固で信頼に足るもの、それも人の心。
・経営とは経営者が持てる全能力を傾けて、従業員が幸福になれるように最善を
尽くすことであり、経営者の私心を離れた大義名分を企業は持たなくてはいけない。
・京セラの一番の強みは、心の通じ合える仲間の固い絆をよりどころとして創業し、
その後も社員同士のパートナーシップを企業経営の基盤を据えてきたこと。
○原理原則を貫く経営
・経営における判断は、世間でいう筋の通ったもの、つまり「原理原則」に基づ
いたものでなければならない。
・全ての物事を「原理原則けにまで立ち返って判断していこうと決心した。
「人間として正しいことなのか、悪しきことなのか」ということを基準にして
判断し「人間として正しいことを正しいままに貫いていこう」と考えた。
○お客様のニーズに応える経営
・価格、品質、納期などはいくら努力してもゼロにならないが、お客様に対する
態度、サービスだけは限界がない。
・経営の死命を制するのは、値決めである。
・「儲ける」と言う字は信じる者と書く。
・尊敬にまで達する、お客様との絶対的な関係を築くことこそが、真の商いである。
○未来へ挑戦する創造的経営
・誰もやったことなのない、真に創造的なことをチャレンジするということほど、
難度の高い仕事はない。
・真に創造的なことを始めようとする際、最も重要なことは、自分自身に対する
信頼、つまり自信を元子とである。
○人生の方程式
・仕事や人生の成果を現す方程式
人生・仕事の結果=「考え方」×「熱意」×「能力」
「能力」は先天的なもので、0点から100点まである。
「熱意」は自分の意志で決めることができ、0点から100点まである。
「考え方」が最も重要で、マイナス100点からプラス100点まである。
・人間はともすれば、有名大学を出、学問をすればするほど「能力」に依存し、
「熱意」や、更には「考え方」の重要性に対する認識が希薄となってしまう。
○世のため人のために尽くす
・1984年稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。
・京セラ25周年、52歳の時に、私財200億円、1997年さらに210億円を寄付した。