東京経済大学の社会人向け「市民サテライト・ゼミ」で、「コンビニエンスストアから考えるビジネスの仕組み」という講座があったので、申し込んだ。
<講義メモ>
テーマ:「コンビニエンスストアのビジネスモデルを考える」
講師:柴田高・教授
著書:
- 作者: 柴田高
- 出版社/メーカー: 日科技連出版社
- 発売日: 2004/03/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 新宅純二郎,柴田高,許斐義信
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2000/11
- メディア: 単行本
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講義の参考図書
[rakuten:book:11537944:detail]
東京経済大学の生協で販売中。
○小売業界の変遷
・戦後復興期:百貨店が中心
・高度成長期:スーパーマーケットが中心
→1972年にダイエー(スーパー最大手)が三越(百貨店最大手)を抜く
・成熟期:コンビニエンスストアが中心
→1993年にセブンイレブン(こんびに最大手)がイトーヨーカドー
(スーパー収益トップ)の経常利益を抜く
○セブンイレブンの歴史
・1973年 イトーヨーカドーの新規事業部門として設立。米国セブンイレブンと契約
・1974年 東京・豊洲に1号店開店
・1975年24時間営業店舗の展開開始
→鈴木敏文会長と二人三脚で実務を担当した鈴木元副会長は東京経済大のOB。
○コンビニのビジネスモデルの特徴
・立地:地価の高い人通りの多い場所。
・品揃え:欲しい物がとりあえず有る。話題性のある商品に絞っている。
→気温が32度を超えるとかき氷が売れる。
・価格政策:定価販売。←百貨店と同じ
・販売方法:セルフサービス。←ディスカウントストアーと同じ
・高コスト経営
→日常的な作業の中で。あらゆるデータを集める仕組みを入れて、
データに基づき、仮説を立てて、付加価値の高いサービスを提供する。
○ドミナント出店方式のメリット
・知名度、利用度の向上
・配送の効率化
・経営指導の効率化
・広告宣伝の効率化
→セブンイレブンの未出店エリア
青森、秋田、富山、石川、福井、鳥取、島根、四国4県、鹿児島、沖縄
愛知県に出店したのも6〜7年前
○狭い商圏で売上を維持する方法
・コンビニの商圏は、半径300メートル以内。
・消費者の欲しい商品、話題性のある商品の品揃えを充実
・消費者の来店頻度を高め、リピーター率を上げる
○3大チェーンの業績比較(2007年3月末、単位:百万円)
- | セブンイレブン | ローソン | ファミリーマート |
店舗数 | 11,310 | 8,366 | 6,839 |
営業総収入 | 2,498,754 | 1,361,731 | 1,031,736 |
経常利益 | 178,682 | 43,910 | 30,480 |
○JR東日本の駅中ビジネスの可能性
・駅中店舗は、立地条件としては大変恵まれている。
・しかし、JR東日本は大家でしかなく、客単価の高い店舗を店子として
入居させているだけである。
・テナント代が高く、店舗の入れ替えが激しい。
○キオスクの低迷
・店員の高齢化に伴い、合理化を図り、ミニコンビニ化をした所、
更に特殊技能を持つ経験豊富な店員の退職を誘発してしまった。
・自動販売機の次にコカ・コーラを販売している。