来月9月からHSPの4期生として、入学が許可されたことをきっかけに、黒川清先生の著作を読むことにした。まずは10年前の1995年に出版された対談本を読んでみた。黒川先生は当時、東大医学部の第一内科教授だったそうだが、現在と言っていることが全くブレていないのには驚いた。

この本は1994年4月に出版された「医を変える」の続編。
この当時に、「医療制度は既に疲弊している」とされている。



<読書メモ>


○黒川先生が医者になった理由
 ・代々医者の家系で長男だったので、医者になるんじゃないかと思っていた。
 ・熊本の細川藩で、祖父は熊本病院の内科医長を勤めた後、開業した。
 

○医学部は職業訓練
 ・医学部は、国家試験を受けて最小限の知識と技能を持った医者を育てる
  所だから、専門学校と違わない。
  西洋学的なプロセスからいうと、工学部と同じでプロフェッショナル・
  スクール。英国では職業人を育てる専門学校として位置づけられている。


○医薬分業
 ・17世紀にドイツで、大様が暗殺されたら困るから、医者は処方するだけで、
  薬を与えてはいけなく、薬局の経営もしてはいけない、共同経営も
  いけないと決めた。欧米では当たり前と考えられている。


○医療界の団体
 ・全国病院団体連合は、日本病院会全国公私病院連盟を軸にして
  十数団体が合同して1993年に発足。
  全国規模の病院団体は約20、地方団体は約30もある。
  開業医を主体とする日本医師会は1本。
 ・厚生省は、従来から医師会を交渉。協力相手とし、病院団体の
  以降を徹底的に無視してきた。
 ・病院の連合組織ができた時、これに反対する日本医師会よりの
  病院団体「民間病院連絡協議会」が発足され、意見は2つに
  割れた歴史がある。
 


「はじめに」で紹介されていた『アメリカと日本 (東京大学公開講座)』の「アメリカと日本の医療」も
手に入れて読んでみたい。