リクルートOBの著作ということで、大変興味深く読ませて頂いた。キャリアを自分で考え直すきっかけを与えてくれる本である。


<読書メモ>

○年収も「需要と供給のバランス」で決まる
 ・人手不足の時代と火と余りの時代では、給与水準が違う。
 ・人件費以外の諸経費を含めると年収の1.5倍から2倍が実質的な経費となる。


○業界別年収1千万円の年齢基準
 ・テレビ局・大手広告代理店 30歳過ぎ
 ・都市銀行・総合商社 30代半ば
 ・メーカー・流通大手 40歳過ぎの管理職


○年収1千万円は、時給5千円に相当
 ・サラリーマンの年間平均休日は100〜120日
 ・勤務日数を年間250日とすると、
   1千万円÷250日=1日/4万円
   4万円÷1日8時間労働=時給5千円
 ・年収500万円の場合は、時給2500円。


○給料氷河期のキャリア・デザインの法則
 ・得意分野で差別化し、オンリーワンの存在を目指せ
 ・好きな世界を極めておけ。それはいつか自分のプラスになる。
 ・キャリア作りは会社任せにするな。自分自身で設計し、実行しろ。
 ・自分自身の物語をキャッチフレーズにして、印象づけよ
 ・己の夢を自問自答して、その目標に納期を定めよ
 ・ほかの人がどうあれ、進路は自分で考え、自分で決めよ
 ・自分の能力開発のためには、お金と時間は惜しむな
 ・現状に満足することなく、常に変化する勇気を持て


野村克也監督の初対面挨拶
 ・1990年にヤクルトの監督に就任した際、開口一番、選手に質問した。
 ・「野球の基本中の基本は、ポールカウントだが、それは何種類あるか?」
  選手の誰一人即座に答えられず、
  「バカモン! お前ら何年野球をやっとるんや!そんな基本も知らんで」と
  黒板に0-0から2-3まで12種類のボールカウントを書いた。
 ・「じゃ、この中で、バッターに有利なカウントとピッチャーに有利なカウントは、
  それぞれどれか分類してみろ」と再び選手に投げかけた。
 →最初の挨拶は、所信表明であり、選手たちをその気にされる大切な場。


○哲学者カントの言葉
 「経験のない認識は空虚であり、認識のない経験は盲目である」
  →キャリアデザインという認識がなければ、どんな経験もその人にとっては
   価値のあるものにはならない。
  →どんなに優秀なポテンシャルを持っている人でも、自分のキャリアというものを
   意識するかしないかで、人生は全く違ったものになる。