伊藤塾塾長の伊藤真さんの著書を読んでみた。共感する部分がかなりあり、メモしておきたいと思った。司法試験であっても、成否を分けるのは「頭のよさ」ではなく「続ける力」だと確信しているそうだ。すべての成功は、だれもが持っている「続ける力」から生まれるとのこと。

本の中で紹介されていた、「伊藤塾が創業10年目に、法科大学院の設立準備をして、1600人の学生の応募があったにもかかわらず、文科省の認可が下りず、挫折したと同時に、従来の司法試験そのものの受験生減少で、大きなピンチを経験した」という話は知らなかった。

続ける力―仕事・勉強で成功する王道 (幻冬舎新書)

続ける力―仕事・勉強で成功する王道 (幻冬舎新書)



○一流の人は「続ける技術」を持っている

「夢をつかむというのは、一気にはできません。小さなことを積み重ねることで、いつの日か信じられないような力を出せるようになっていきます。
いままで自分がやってきたことを、しっかり継続することが、イチローという選手の能力を引き出すためには、はずせないことです。
過去の積み重ねがどれだけ大事なものかは、感じています。それがなければ、今の技術や精神は作られなかったのですから」
(ぴあ『イチロー 262のメッセージ』)


「以前、私は、才能は一瞬のひらめきだと思っていた。
しかし今は、十年とか二十年、三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。
直観でどういう手が浮かぶとか、ある手をぱっと切り捨てることができるとか、確かに個人の能力に差はある。
しかし、そういうことより、継続できる情熱を持てる人の方が、長い目で見ると伸びるのだ」
(羽生善治決断力 (角川新書) [ 羽生 善治 ]』)



○「単純で退屈なこと」を長続きさせるコツ
・続けるためには強い動機があるだけでは不十分で、やるべきことを徹底的に絞り込んで、退屈さのハードルを下げる必要がある。



○続けるための伊藤メソッド
・もうダメだと思うときこそ、ゴールが近い
・全体から部分へ、ゴールから発想する
 →最終的にどういう問題を解けるようになればいいのかを知ることで、努力の方向性が定まり、モベーションを維持しやすくなる。
・合格後を考える
 →ゴールだと思っている合格は、単なる通過点にしかすぎない。
・フェイティナ・レンテ(ラテン語ローマ帝国アウグストゥス皇帝が好んだ言葉)
 →他人と比べないで、ゆっくり急げ。努力の継続とは、つねに「自己ベスト」を目指す営み。
・やればできる、必ずできる。最後まであきらめない
・モチベーションの維持とは、モチベーションを上げるというより、モチベーションの下げ幅をできるだけ小さくとどめること
・スランプにつきあたってこそ一人前
 →「人間は努力するかぎり迷うものだ」(ゲーテ)



○迷ったら自分がワクワクできる方を選ぶ
・二者択一を迫られたときの判断基準として、「うまくいったときに、よりワクワクする方はどちらか」で選ぶことにしている。



○DNAに刷り込まれた力
・人が生きることの本質は、結果を残すことにあるのではなく、コツコツと時間をかけて生命現象を継続させていく、そのこと自体にある。人間は「結果」ではなく「プロセス」に意味を見出さずにはいられない存在なのである。