2週間後にインドに「メディカル・ツーリズムの現状調査」に1週間、真野俊樹先生に同行することになり、遅ればせながらインドに関する情報収集をしている・・・。この本の著者は神戸生まれでアメリカでMBAと国籍を取り、神戸青年会議所の理事長になったことがある異色のインド人である。

インド人の血が流れている著者でさえ、インド相手には、事業を採算ベースにするには苦労しているようである。

驚異の超大国インドの真実―インド人だからわかる!ビジネスの将来性と日本人の大誤解

驚異の超大国インドの真実―インド人だからわかる!ビジネスの将来性と日本人の大誤解

<読書メモ>
・ターバンを巻いているのはシーク教徒だけの習慣
識字率 64.8%(2001年国勢調査)
ヒンズー教徒80.5%、イスラム教徒13.4%、キリスト教徒2.3%、シーク教徒1.9%、仏教徒0.8%、ジャイナ教徒0.4%(2001年国勢調査)


○国境を超えるインドの医療技術
・米国医療機の約5分の1.
・米国医師の約38%は、インド系の人が占めており、米国人はインド人医師に治療されることに慣れている。
・インドでは医療の分野でけが、例外的に民営化が進んでいたために、医療設備も最新鋭のものがそろっている。
・アポロ・ホスピタルズは、インド国内に40件以上の病院をもち、アメリカ帰りの経営者が、リゾートホテル並みの環境で最先端の医療技術を提供している。


ジェネリック医薬品
・2005年時、インドの製薬業界全体の売上は5270億円に達し、金額ベースでは世界13位、数量ベースでは世界4位。
・インドでは医薬品に対して「製品特許」がなく、「製法特許」のみが認められていた為に、特許によって保護されている製品がインド国内では生産可能だったという特殊な背景がある。
・205年1月に、医薬品も製品特許の対象となり、インドの製薬業界もブランド薬の開発に本腰を入れ始めている。
・ルピンが共和薬品工業を買収、業界最大手のランバクシーも国内外の製薬会社に対し積極的にM&Aを働きかけている。
・インド製薬業界の市場規模は、2015年に200億ドル(2005年の約3倍)となり、ブラジル、メキシコを抜き世界のトップ10入りすると予測(マッキンゼー&カンパニー)


○インドの財閥
・タタ・グループ、ビルラ、リライアンス、マヒンドラ、ヒーロー、バジャージなど、大小合わせて20ほどの財閥がある。


カースト制度
・インド国民の約8割はヒンズー教徒であり、4世紀頃にできたが、大本の教義は紀元前10世紀頃に起こったバラモン教に由来している。
ヒンズー教バラモン教から受け継いだものは、ヴェーダ聖典、輪廻転生や解脱の概念、カースト制度
カースト制度は身分(カースト)を、バラモン(神職)、クシャトリア(貴族・武士)、バイシャ(平民)、シュードラ(奴隷)の4つに大別し、それそれの身分は、更に細かく分類され数千にのぼる。
カースト以下の身分も存在し、「アンタッチャブル」「ダリット」と呼ばれ、インド人口11億人のうち2億人を彼らが占めているといわれる。ダリットは理髪業、洗濯業、農場日雇い、清掃業にしか就けない。
カーストは変更を認められず、結婚は同じカースト間で行われるのか原則。
カーストは、アーリア人ドラヴィダ人等の先住民族を区別する肌の色を表す「ヴァルナ」と、共通の職業集団を表す「ジャーティ」が複雑に絡み合って成立しており、職業差別の制度でもある。
・ジャーティ(職業)は、長い歴史の中で定められた制度なので、IT産業などの突如現れた職業には対応しおらず、カースト以外のジャーティとなるため、IT関連で働くことはカーストの影響からのがれる手段となる。
・本来は1950年制定の憲法で、全面禁止と明記されているが、影響力が強く現在でも差別の原因となっている。


○インドの強み(P&Gジャパン会長、ラヴィ・チャタベディ氏)
・ライフスタイルを講じようさせることを望んでいて、実際にそれを叶えるためのビジネスチャンスがたくさんある。
・混沌とした状態を苦にせず、そうした環境でも、物事をきたんと整理し、分析、批評をするのが得意で、戦略的思考を持つことができる。
・質の高い商品やサービスを安価に提供しようと心がけており、また、ビジネスマンとしての高いコスト意識を持っている。
・グローバルにコミュニケーションができる。
・技術者や医者、経営者や金融家を排出するための教育システムが非常に優れている。
・巨大でかつ若い人口を抱えていて、無限の可能性を秘めている。
・教育を受けた若者が増加し、物怖じすることなく世界中を飛び回っている。