社長になった今も、「引きこもり」と自ら語るニュータイプの経営者の講演を聞いた。

早大で開催のGMOインターネット寄附公開講座勝ち組ベンチャー企業の条件』の本日の講師は、株式会社paperboy&co. 代表取締役社長・家入一真氏だった。こんな経営者もいても良いと和やかな気持ちになれる講演であった。
引きこもりらしく、徹底して観客に背を向け、パワーポイントのスライドに向かってのちょっと変わった講演会であった。(笑)
ちなみに社員は100人位いて、レンタルサーバーの「ロリポップ」はシェアトップである。


こんな僕でも社長になれた

こんな僕でも社長になれた

<講演メモ>
講演テーマ「経営はアートだ」


○生い立ち
1978年 福岡生まれ。
幼少時は、ほとほどの貧乏で、家電製品から自転車まで、殆どの物を父親が拾って
きて、修理して使っていた。
人をわらわせるのが好きで、体を張って回りのウケを取るタイプだった。
中3になったある日、親友が自分より先にチン毛が生え、「ウラギリ?」と本人に
言ったら事がキッカケとなり、親友が離れてしまい、一人ぼっちになってしまった。
それ以来、笑顔を忘れ、家に引きこもってしまい、高校に合格するも、高1で中退し、
高2〜3は自宅でずっと引きこもっていた。


○社名「paperboy&co.」の由来
引きこもっている自分を母親が、山田かまち(17歳で亡くなった詩人)の個展に
連れて行ってくれ、美大への進学を決意したが、家にお金がなく、新聞奨学生として
泊り込みで働きながら受験勉強をすることにした。
新聞配達少年のことをpaperboyと言い、その頃の事を忘れないように社名にした。
coは仲間たちという意味。


○インターネットとの出会い
美大受験で東京に上京した時、宿泊先の近くに24時間営業の「ジーンズメイト」という
ジーパンショップがあり、度肝を抜かれ、自分にとっては見たことのないイノベーション
を感じ、朝までうろうろしてしまった結果、寝坊してしまい受験を受けれなかった。
仕方ないので、地元でチラシのデザイン会社に就職することとなり、そこで
インターネットと出会い、一日中「2ちゃんねる」を見たり、書き込んだりしていた。


○4つ下の妻との出会い
引きこもりの自分が妻と結婚できたのも、インターネットのおかげで、いわゆる
「出会い系サイト」で出会い、メールのやりとりをしていて、気づいたら妊娠していた。


○起業の経緯
自宅で働きたかっただけなので、別に会社でなくてもよかったが、ホスティング
サービスを契約する際に、法人格が必要だったので、当時、資本金の制限がない
合資会社で5年前に設立した。
会社を設立するに当り、自分がやる意味がないといけないと思った。
当時、レンタルサーバーは、値段が高く、法人と大人向けの価格帯しかサービスが
無く、学生と女性をターゲットにしたサービス「ロリポップ」を始めた。
他社がやっていないか?が重要。他社がやれる事はウチがやる必要は無い。
独自のモノで、「最初に嫌悪感を抱かせる」デザインが特徴。


○家入氏の従業員の採用方針
自分が引きこもりなので、「人の目を見ない人」を積極的に採用している。
体育会系は苦手なので、お断りしている。
変な経験があれば、即採用。


○モノ作りで必要なこと
アマノジャクフィルタ:物事をする時に素直にやらずに、天邪鬼になり斜めから見る。
ネーミング:paperboyではネーミングが割きに決まることもある。
自分が踊る:まず自分が最初にサービスを使用してみる。
デザインクリエイティビティターケット


これまでの作品の中で、最も失敗した代表作
ぺろたんのゼビウス
ゲームのストーリーは、宇宙人の侵略に対し、ぺろたんが立ち上がったが、上空を
飛ぶ敵との高度のギッャプが縮まらず、永遠に敵を倒せない。
この作品では、「無茶をするな」という教訓を伝えたいそうだ。